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中国製ギョーザ:メタミドホス、高濃度検出…市川の事件

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、千葉・兵庫県警共同捜査本部は13日、市川市の母親(47)と子供計5人が食べて嘔吐(おうと)したギョーザから、極めて高濃度の有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。皮が3580ppm、具が3160ppmで、全国で実施されたギョーザの成分分析で最高の濃度だった。捜査本部は、メタミドホスが製造から梱包(こんぽう)までの過程で意図的に混入され、皮から具に浸透した可能性が高いとみている。

 国が06年に導入した原料野菜の残留メタミドホスの基準値は、ニラ0.3ppm、キャベツ1.0ppmで、具の濃度は単純換算すると1万533倍、3160倍に達する。このギョーザを食べた母親と8~18歳の3人の子供の計4人は24日間入院したほか、5歳の次女は一時意識不明となり、手足のしびれなどを訴え続けた。

 家族が食べたギョーザは07年10月20日製造の「CO・OP手作り餃子」で、事件発生翌日の1月23日に実況見分で吐しゃ物を押収した。皮と具が混じり合っていたが、定量分析でそれぞれの濃度を特定した。

 これまで検出されたメタミドホスでは「コープ花見川店」(千葉市花見川区)で販売され、女性と女児が中毒症状を起こしたギョーザの130ppmが最高の濃度だった。

 捜査本部によると、メタミドホスの中毒症状が出る量は体重50キロの人で約0.15ミリグラムとされる。このギョーザは具1グラム当たりその21倍の3.16ミリグラムが混入していたことになる。メタミドホスは水溶性で、母子の唾液(だえき)に一定量が溶けたと推測され、混入は更に高濃度だった可能性もあるという。

 捜査本部は「(故意ではない)残留農薬(という見方)が否定されるほどの高濃度」とし、意図的に混入された可能性が極めて高いとみている。【寺田剛】

毎日新聞 2008年3月13日 21時31分 (最終更新時間 3月13日 23時16分)

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