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紋別の医療、4月から非常事態〜道立病院「救急対応一時休止する」
(3月14日付け)
紋別市内の医療が4月にも崩壊の危機に瀕していることが、13日の紋別市議会定例会一般質問で浮き彫りとなった。極度の医師不足に陥っている道立紋別病院が、4月から夜間・休日の救急対応を一時停止する意向を紋別地区消防組合に伝えたほか、地元の紋別医師会も「道立紋別病院で救急対応ができなければ、医師会としても一次救急の継続はできない」との意向を示したもの。また上渚滑診療所でも、医師本人の健康問題により退職願いが出されており、現在の契約が切れる4月以降は未定になっていることが明らかになった。宮川良一市長は「非常事態」との認識を示した。
12日と13日に行なわれた一般質問では、登壇した7人のうち青田輝智、佐藤留次、牧野正則、阿部徹、野村淳一、梶川友子の6議員が医療問題を取り上げた。各議員の質疑応答のなかで、これまで明らかにされていなかった、新たな医療危機が露呈した。
13日に登壇した阿部議員は、道立紋別病院が4月から救急対応を取り止める意向を固めたとする報道が一部マスコミでなされたことについて質問。宮川良一市長は、2月25日に道立紋別病院側から「4月1日から夜間・休日の救急受入れは一時休止する」との申し入れがあったこと、3月5日に開いた医師会役員と道立紋別病院、市理事者による会談で、医師会側から「道立紋別病院で救急対応ができなければ、医師会としても一次救急の継続はできない」との意思表示があったことを明らかにした。その上で宮川市長は「このままでは当市の救急医療が非常事態となることから、これを回避すべく、地域医療を統括する紋別保健所の調整により、広域連合による一次および二次医療体制を構築するまで、一定のルールのもと現状の救急体制を維持できるよう、道立紋別病院、医師会、紋別保健所と早急に協議することとしております」と答弁するに止まった。
いっぽう今年1月から紋別市による運営が行なわれている上渚滑診療所についても、阿部議員の再質問に対する市理事者側の答弁で不安要素が明らかになった。それによると現在の医師との契約は3月末で切れるうえ、2月28日に同診療所の医師から退職願いが届いたという。市側ではこれまで2回、医師を訪ねて慰留に努めたが、待遇などの条件ではなく健康問題が原因だけに、現在のところ継続についての回答は得られていないという。幡野勝彦副市長は「ずっと残ってもらいたい、上渚滑1200人の地域医療を守ってもらいたいと考えている」として、今月末にも再度訪問して要請する方針を述べ、理解を求めた。
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