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北朝鮮・核問題:米朝協議 「核申告」問題、正念場 「6カ国」進展占う試金石

 【ジュネーブ笠原敏彦、澤田克己】北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補と北朝鮮代表の金桂冠(キムゲグァン)外務次官の協議が13日午後、ジュネーブで行われた。暗礁に乗り上げた「すべての核計画の申告」の事態打開に向けた正念場の話し合いで、6カ国協議の今後の行方を占う試金石となりそうだ。

 ヒル次官補は協議前、報道陣に対し「(昨年末の)申告期限から10週間も過ぎており、いま行動することが死活的に重要だ」と強調した。米国は3月中に申告問題が解決しなければ、ブッシュ政権の任期(09年1月)中の核放棄実現は困難になると危機感を強めている。

 一方、米国では北朝鮮が05年9月の6カ国協議共同文書で約束した核放棄の意思を疑う声が高まっている。核放棄への「最初の戦略的決断」(ビクター・チャ米ジョージタウン大教授)である核計画の申告に北朝鮮が前向きな姿勢を示してこなかったからだ。

 米国は議長国・中国とともに打開策を探り「申告の形式」で柔軟性を示す方針へ譲歩。対立点のウラン濃縮疑惑とシリアなどへの核拡散疑惑を申告書本体から分離して「秘密扱い」とする案など軸に、北朝鮮の「完全かつ正確」な申告を誘導したい思惑と見られる。

 しかし、北朝鮮は疑惑そのものを否定し続けているだけに「申告の形式」をめぐる論議だけで問題の本質的な解決を図れるかどうかは微妙。協議は14日朝も行われる。

毎日新聞 2008年3月14日 東京朝刊

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