漂着ポリ容器に国の基準超す有害物質、福岡県は分析結果公表せず
日本海沿岸に廃ポリ容器が大量に漂着している問題で、福岡県が回収した容器に入っていた液体を分析した結果、国の基準値を上回る有害物質が検出されていたことが12日、わかった。
人体に悪影響を与える恐れがあるにもかかわらず、県は数日前に把握した分析結果の公表を見送っていた。
県などによると、県内の海岸では1月15日から2月27日にかけて、計3892個のポリ容器が回収された。
このうち、福岡市と同県志摩町などで回収された計15個のポリ容器に入っていた液体を県保健環境研究所(同県太宰府市)で分析したところ、水質汚濁防止法の基準値を超える有害物質が検出されたという。県は具体的な分析結果などは明らかにしていない。
これまで公表していない理由について、県廃棄物対策課は「これまでも、漂着したポリ容器には触らず、市町村などに通報するよう注意を呼び掛けてきた。分析結果は、13日の県議会厚生環境委員会で報告することにしており、公表を遅らせたわけではない」と釈明している。
環境省の発表によると、今月3日までに19道府県の海岸で約4万個のポリ容器の漂着が確認されており、液体から塩酸などが検出されたケースもある。