(cache) 痴漢でっち上げ女子高生 松戸市の痴漢でっち上げ女子高生・中村幸子の正体

犯人の本名:中村幸子(ゆきこ)
 父:中村勝(まさる)
 母:中村公子(きみこ)
 (住所)千葉県松戸市河原塚431-24

去る平成13年5月21日、東京簡易裁判所で、平賀弁護士が担当した痴漢事件で無罪判決が言渡され、検察官の控訴もなく6月5日確定した。実に、逮捕から1年3ヶ月後の潔白の証明であった。
 この事件は、平成12年2月23日早朝JR線のある混雑した電車内で、A氏 (男性・当 時27歳)が中村幸子(ユキコ・女子高生・当時16歳)に対し、スカートの中に手を差し入れるなど の痴漢行為を行ったとして、東京都及び千葉県の迷惑防止条例違反で逮捕され、否認のまま22日間の身柄拘束の後、平成12年3月14日起訴されたというものである。
 A氏は、逮捕時から判決が言渡されるまで、終始犯行を否定し、弁護人である平賀弁護士も「無罪」を確信して争ってきた。
中村幸子が、混雑した電車内での痴漢行為に対し、電車を降りてからA氏の腕をつかみ、「この人痴漢です。」と周囲の人に訴え駅員に突き出すという形でこのことは始まった。
 中村ユキコが、初めて証人として法廷に姿を現したのは、第3回公判の時である。まだあどけなさの残る16歳の”少女”がそこに立っていた。中村が未成年であることや心の傷、被告人と再び顔を合わせ証言しなければならないという状況に配慮し、衝立を立てたなかでの証言が始まった。
 平賀弁護士も、中村ユキコに対し、娘を持つ父親的立場からこれに臨んだ。とても緊張したようにユキコは証言を行った。
 中村幸子が2度目の証人として出頭した期日外尋問の時にも衝立が立てられた。幸子はそこでも被害状況などとぎれとぎれ、苦しそうに供述した。
 ユキコの母親も証人として出廷した。中村幸子が、とてもおとなしく小心であること(葵註釈:プップップッと笑いたくなってきます)、このことがあってから電車に乗るのが怖いと訴えること、また学校に行きたくないと言う、等々を証言した。
 中村幸子は痴漢をされたとき、怖くて反抗できずにいたと証言したが、驚くべき事実が明らかになった。幸子は本件事件当時高校1年終了間際であったが、それまでに痴漢を5回捕まえていたので ある。更にこの事件発生前日にも痴漢をされ、本件の翌日にも痴漢犯人(本件A氏とは別人)を捕まえていたのだ。そして、それらの内かなりの事件を20万〜70万円で示談していたのである。
 中村幸子は怖くて反抗できないと供述していたが、常習的な痴漢逮捕経験者だったのである。
 更に、ユキコは事件当日を含め数回にわたり痴漢の犯行状況を供述しているが、それらは一貫したものではなく、また、供述された痴漢態様も物理的に不自然な形と思われるものであった。
 こうして公判を重ねるうちに、中村幸子の供述に不可解な点が浮き彫りにされ、被害者の供述として信用できるものでないことが、次々と明白となるのであった。

 裁判を終わるにあたりA氏は次のように涙ながらに訴えた。「(前略)最後にわたしの立場から言わせて貰えば、被害者は私であり、加害者は『あなたが犯人だ』と言っている女の子です。裁判長わたしは痴漢をしていません。どうかわたしに正義を下さい。」
 そして、注目された判決の日、裁判所から前述のように無罪判決が言い渡された。
(中略)
 被害者の主張のみにより犯人が逮捕されるケースがほんとんどである痴漢事件において、本件のように、身に憶えのない事実で犯人とされた者の肉体的・精神的そして更に社会的ダメージはどうなるのか。「数万円の罰金を払えば釈放になる。」と警察官にささやかれながら、それでも20日間あまりに及ぶ警察署留置場内での勾留と取調べに耐える気持ち。身内や周囲の人との間に流れる微妙な空気にひたすら耐える1年3ヶ月間の苦痛。今後も決して拭い去ることの出来ないであろう苦い記憶。
 A氏は、幸いにも無罪を勝ち取ることができた。しかし、おそらく冤罪に泣いた人も少なくないと思われる。このような事件についての捜査の在り方(否認したら即逮捕・勾留)を根本的に再検討することが絶対に必要である。

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