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医師ら3人を書類送検 京大病院の医療過誤事件
京都大学付属病院(京都市左京区)で平成18年3月に脳死肺移植手術を受けた兵庫県尼崎市の女性患者=当時(30)=が7カ月後に死亡した事故で、京都府警捜査1課と川端署は13日、業務上過失致死容疑で、呼吸器外科の男性医師(46)ら3人を書類送検した。府警は手術中の医師の連携不足などが死亡の原因と判断。脳死移植をめぐり、医師が摘発されたのは極めて異例で、京大病院は同年5月以降、脳死、生体を問わず肺移植手術を自粛している。
他に書類送検されたのは、心臓血管外科(当時)の男性医師(44)と麻酔科(同)の男性医師(48)。
調べでは、3人は18年3月21日から翌日にかけ、肺リンパ脈管筋腫症の女性に脳死肺移植を実施。人工心肺装置が機能しているかを示すモニターを確認しないまま、人工呼吸器を取り外したため、女性は低酸素脳症に陥り、同年10月に死亡させた疑い。
調べに対し、呼吸器外科の医師は「管理責任があった」と容疑を認めており、他の2人は否認しているという。
手術は呼吸器外科を中心として、心臓血管外科と麻酔科が参加する計16人のチームで実施。事前に3科合同の会議を開かず、役割があいまいなまま手術しており、府警は3科それぞれの医師の刑事責任を問うべきだと判断した。
同病院は同年10月、「チーム内の意思疎通が十分でなく、手術中の対応に重大な過誤があった」とする調査結果を発表している。