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源氏物語1000年紀 中国紙が異例の特集

2008.3.13 19:27

 【上海=前田徹】今年、日本の源氏物語が誕生して1000年という記念すべき年にあたることから上海の朝刊紙「東方早報」は文化面1ページを使った「源氏物語千年紀」という特集を掲載した。世界最初の長編小説である源氏物語を「東洋の名作」としてとらえる好意的な内容。物の哀れなど日本文化の原点をこれほど深く紹介するのは珍しい。

 源氏物語を特集した「東方早報」は上海市人民政府系主力紙「文匯報」の系列。3月3日付文化面は「千年的源氏(千年の源氏) 千年的物哀(千年の物の哀れ)」の大見出しと長文の記事で埋まった。

 その一つ、著名翻訳家で文芸評論家の文沽若さんの寄稿「中国における源氏物語」は、魯迅の弟、周作人が日本留学中(1906−11年)に「源氏物語が現れたのは中国の宋時代。中国での長編小説はそれから500年後ということを考えれば一つの奇跡といえる。どうしてこの栄光を奪われてしまったのか」と書いた手紙の内容を紹介し、さらに「現代の中国人作家が源氏物語を好むため、知らず知らずのうちに影響を受けている」と激賞した。

 また関連記事では、紫式部が漢詩に造詣が深かったことに注目し、「中国・唐代の豊かな文化の強い影響を受けたものだった」と指摘した。

 中国における日本文学の認知度は大学文学部や日本研究家などに限られてきたが、村上春樹ら現代作家の作品が大学生や知識人の間で広範囲に読まれている。しかし、既存メディアであるテレビ・新聞・雑誌が日本文学を紹介することはほどんどない。

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