和歌山県串本町古座の町立古座川病院は4月1日から、救急業務を原則的に廃止し、入院を内科だけにするなど業務を縮小する。全国的な医師不足の影響を受けたためで、常勤医師の数は現在の7人から3人に減る。 古座川病院は2010年に串本病院と統合するため、単独での業務は統合までの予定。残り2年間ほどだが、現状の業務を続けるための医師を確保することができなかった。 現在の診療科目は内科、外科、小児科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉(いんこう)科、皮膚科、人工透析の8科。常勤医師は内科医3人、外科医2人、整形外科医2人の計7人。ほかの診療科は非常勤医が派遣されている。 このうち、外科医1人は3月31日付で退職、もう1人の近畿大学医学部から派遣の医師は異動になる。県立医大から派遣の整形外科医2人も異動。いずれも後任人事が決まらなかった。残るのは内科医の3人だけとなるため、救急業務を原則的に廃止する。状況によって内科の急病人は受ける。平日の午後5時半〜午前8時半と土日曜、祝日の時間外診療も縮小し、常勤内科医が当直として勤務している場合に内科の患者だけを受け付ける。ほかの科は受け付けない。 病院によると、06年度中の時間外診療は1454人、そのうち救急が356人。内科を除く3分の2ほどの患者は、串本病院などほかの病院で受診してもらうことになるとみている。 入院も内科だけとし、現在の外科と整形外科の受け付けはなくなる。外科は診療も休診になる。 整形外科は、常勤医から非常勤医になるため、週5日が水曜と金曜の週2日に減る。皮膚科が月1回だったのが、第4月曜と第2火曜の月2回に増える。小児科は毎週火曜と木曜の週2回、眼科は毎週金曜の週1回、耳鼻咽喉科は毎週火曜と木曜の週2回、人工透析は毎週金曜と土曜の週2日の診療で、いずれも現在と変わらない。 病院によると、07年度中の入院患者数は1日平均25・6人、外来患者数は同190人。 古座川病院の業務縮小を受け、串本病院では外科医と整形外科医をいずれも2人から3人に増やし、対応できるように体制を整える。 古座川病院の谷口秀行事務長は「医師不足の影響は深刻。常勤医師が少ない病院になるが、地域医療を守るために何とか努力したい」と話している。