鳥取市教委が部落解放同盟鳥取市協議会に支給した補助金をめぐり、二〇〇五年度に不明確な会計処理があったとして、中川俊隆教育長が同協議会の役員を詐欺罪で鳥取署に刑事告発していたことが十一日、分かった。中川教育長は補助金の内容や金額について「捜査中なので発言は控えたい」と話している。
同日の市議会本会議で、村口英子議員(共産党)が「今年、(協議会の)役員宅をはじめ、ほかにも家宅捜索があったという情報をつかんだ。事務所、個人の家宅捜索を行ったと警察から確認した」と質問。これに答えて公表した。
中川教育長が告発したのは昨年六月二十五日。市教委が〇六年四月、〇五年度会計などを書類審査する中で不明確な補助金の使途が発覚した。
関係者によると、実際は使わなかった補助金を使ったように会計処理していたという。
市教委は〇六年度からこの補助金を打ち切り、同年秋、市長部局と合同チームを立ち上げて調査。中川教育長は本会議で「十分な解明に至らなかったので告発した」と述べた。
また、市民や議会への説明責任を問われ、「明らかになった時点で説明したい」と語った。
一方、市長部局も協議会に対し、研修会などの事業に補助金を出してきたが、問題発覚後に再監査を行い、適正な予算執行を指導。〇六年度当初で千五百万円を組んだが使われたのはわずか三分の一。本年度当初は九百六十万円の予算を組んだが、全額を減額補正し、新年度は予算を組まない方針だ。