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OITA見聞録:県医療計画の策定大詰め 4疾病死亡率改善に目標値 /大分

 ◇医療機関の対応分野明示も

 新年度「見直し版」がスタートする県医療計画の策定作業が大詰めを迎えている。今月上旬、計画策定協議会が原案を承認した。12年度までの5年間に達成すべき目標を盛り込み、各疾病に対応可能な病院名を明記するのが大きな特徴。担当の医務課が病院名の一覧表を月内に完成させ、4月から県のホームページに掲載する。【梅山崇】

 10圏域あった2次医療圏を設定し直し、東部(別府、杵築、国東、姫島、日出)▽中部(大分、臼杵、津久見、由布)▽南部(佐伯)▽豊肥(竹田、豊後大野)▽西部(日田、九重、玖珠)▽北部(中津、豊後高田、宇佐)の6圏域に。市町村単位の1次、県全体の3次医療圏には変更がない。介護施設で対応可能な分を減じる形で基準病床数を修正したため、一般、精神、結核の各分野とも、既存病床数が基準病床数を上回る形に。感染症病床のみ、既存数(44)が基準数(54)を下回る。

 4疾病の目標は、がんでは死亡率を現状(05年)の人口10万人当たり82・6人から66・1人に下げ、検診受診率も発症部位によっては21%と低いため、胃、肺、大腸、乳房、子宮とも50%以上に高める。

 脳卒中は男性が同59・4人、女性36・4人の死亡率を、それぞれ44・6人、27・4人へと改善させる。急性心筋こうそくでは、男性44・8人、女性21・7人を各33・6人、16・3人にする。AED(自動体外式除細動器)設置台数も現在の406を700に増やす。糖尿病は患者・予備軍とも10%減らし、新規透析率を3分の2程度に抑え、療養指導士を188人増やして500人とする。

 小児、周産期、救急、災害、へき地の各医療でも、全国平均より各0・01ポイント、0・05ポイント高い新生児、周産期死亡率を全国レベル(0・14%、0・52%)に抑えるほか、68・9%しかない救急隊への救急救命士配置率や達成率66・7%の病院耐震化率を100%に引き上げるなど目標を定めた。

 各疾病の対応病院一覧は、2月に送付したアンケートを基に整理。例えばがんでは、部位ごとの実施治療方法、実績、専門医数など細かく問うている。医務課は「まだ続々と回答が返送されている最中」と言い、「殺到しては困る」という理由からか、掲載を希望しない病院もあるが、病院の意思に任せるという。

毎日新聞 2008年3月13日

 

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