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【国際】

『組織的侵害国』から中国除外 『五輪前に悪化』の批判も

2008年3月12日 夕刊

 【ワシントン=立尾良二】米国務省は十一日、世界百九十カ国以上の二〇〇七年の人権状況に関する年次報告書を発表。「最も組織的な人権侵害国」として北朝鮮、イラン、ミャンマーなど十カ国を挙げた。昨年、このリストにあった中国を除外したが、「中国の人権状況は依然として劣悪」と非難している。

 中国については、死刑制度の見直しを含む司法改革が行われ、北京五輪に向け外国人ジャーナリストの取材規制が一時的に緩和されていると改善状況を指摘。しかし、民主的な政治改革は進まず、市民の基本的人権は否定されていると批判。「中国政府は(民主)活動家や作家、ジャーナリスト、インターネット関係者を監視、妨害、拘束、逮捕し続けている」と糾弾している。

 中国を最も組織的な人権侵害国のリストから除外したことについて、報道の自由を監視する「国境なき記者団」(本部・パリ)は十一日、「中国の人権状況は北朝鮮と同じではないが、国務省の判断は最悪の時期に下された。北京五輪を前に人権状況はむしろ悪化している」と批判した。

 報告書では、北朝鮮について「抑圧的な政権が市民生活のほとんどを統制し、表現や報道、集会の自由を禁じている」と非難している。

 最も組織的な人権侵害国はこのほか、シリア、ジンバブエ、キューバ、ベラルーシ、ウズベキスタン、エリトリア、スーダン。

 

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