朝鮮劇映画 東亜大教授が入手 、15日に鑑賞会
2008年3月12日(水)掲載
日本の植民地下にあった戦前の朝鮮で、徴兵制や志願兵の正当性を洗脳するため作られた劇映画7本が、中国・北京のテレビ局倉庫に眠っているのをこのほど韓国映画資料苑が発見。
日本植民地と文化変容調査に取り組む過程でこれを知った下関市の崔吉城・東亜大学教授が韓国側と連絡をとり、保存状態のいい4作品をDVD化して入手した。戦前のドキュメンタリーやニュース映像は多いが、実際に当時の朝鮮で上映された劇映画は初めてで注目される。
下関韓国教育院(同市東大和町)は「とても興味深い」と、このうちの1本「志願兵」の鑑賞会を、15日午後2時から同院で、崔教授の解説で開く。
「志願兵」は1941(昭和16)年、東亜興行社制作、35ミリ、56分。安夕影監督らすべて朝鮮側スタッフ、出演者の手になり、セリフは朝鮮語で日本語の字幕がつく。朝鮮人でも志願兵になれると知って、婚約者と別れて出征する男を描く話だ。
文部科学省の助成事業で植民地の調査研究を進める崔教授によると、植民地下の朝鮮では40年1月に公布された朝鮮映画令によって、朝鮮映画界は日本の支配下に置かれた。41年5月には朝鮮映画配給会社、同12月には朝鮮映画啓発協会を設立。巡回映写班を組織して山間へき地まで普及させた。
多くは当時の軍国主義の宣伝映画で、徴兵制などを正当化させる狙いで作られた。大衆心理に入り込みやすいように、多くはドラマ仕立ての劇映画の形がとられた。
ほかに「朝鮮海峡」「家なき天使」「半島の春」もあり、今後機会を見ながら、鑑賞会を開きたい意向。無料。問い合わせは主催者(рO83・268・1404)へ。
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