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北京五輪開幕まで半年 「食と水」注意徹底 チケット不足も深刻 (2/2ページ)
深刻なのがチケット不足。JOCは北京五輪組織委に14万2000枚の配分を要望したが、実際に確保したのは1月現在で約4万7300枚と、アテネ五輪の約5万枚を下回る。今後も追加配分を要望していくが、組織委がチケットの75%を国内販売に回したこともあり、大幅増は見込めない状況だ。西鉄旅行の担当者は「日本のメダル有望種目では、柔道や水泳、女子レスリングのチケットが少ない」とこぼす。
ギョーザ事件で再び浮き彫りとなった「食の安全」も大きな問題。各社とも五輪ツアーに限らず注意はしているが、「8月は暑い時期なので、特に水には気をつけたい」(阪急交通社)と神経をとがらせる。西鉄旅行は「バスやガイドの確保など、課題はまだまだある」としており、選手同様、厳しい“北京への道”を歩みそうだ。(奥村信哉)
JOC、日本から持ち込みも検討
北京での「食」に対する不安が広がる中、日本オリンピック委員会(JOC)は、選手に対して五輪選手村から外出した際の食事への注意を改めて喚起していく方針だ。
JOCでは国立スポーツ科学センター(JISS)とも連携して昨年8月、大気汚染や食品の安全性について現地調査を実施。北京市内でペットボトルや飲料水、果物などを購入して水質や細菌の数などをチェックした。その結果、「水道水は飲まないこと。可能な限りうがい、歯磨きも水道水は避けた方がよい」「カットフルーツは衛生面に不安があり、購入は控えた方がよい」−などとした報告書をすでに公表している。
それでも1月にJOCと各競技団体が合同で現地の事前調査を実施した際には「上村(春樹日本選手団)総監督自身が下痢をした」と福田富昭団長。それだけに「選手村は大丈夫だが、外に出たときの注意を徹底していく」と語り、北京市内に開設するジャパンハウスなども活用して「日本のミネラルウオーターや食物を持ち込めるよう検討したい」としている。(金子昌世)