会津若松市の県立会津総合病院で4月以降、人工透析を行う常勤医が不在となることが12日分かった。同病院に透析医を派遣している県立医大が、医師不足を理由に常勤医の派遣を中止するため。今後は非常勤体制となり、患者の受け入れが縮小される見通しとなった。
県病院局によると、会津総合病院は現在、月~土の週6日、透析治療を実施している。県立医大は4月から、常勤医の派遣をやめ、代わりに非常勤医を週2回派遣する。月、金は医大の非常勤医が、水曜日は同病院の内科医が透析を行うが、午前中を中心とした診療となる見込み。入院患者や急病患者には引き続き透析を行うが、比較的軽度な患者十数人は今後、同市内の別の病院を紹介するという。
透析治療を巡っては、いわき市の市立総合磐城共立病院が4月から、透析医の退職で外来患者の透析治療の中止を決めたばかり。県腎臓病患者連絡協議会の岡部茂事務局長は「地域の中核となるべき病院が、相次いで公的病院の使命を放棄したことは残念」と話し、会津総合病院と喜多方病院が統合し新設される会津統合病院(仮称)についても「透析治療が縮小されるのではと危惧(きぐ)している」と不安を訴えた。県腎協は近く、県や病院に常勤医の確保を求める陳情を行う予定。県病院局は「透析の需要は増えており、必要な医療。現状は厳しいが、できる限り常勤医の確保に努めたい」としている。【西嶋正法】
毎日新聞 2008年3月13日