◇医師不足…開業医との分担不可欠
白石市の公立刈田総合病院を運営する白石市外二町組合(管理者・風間康静白石市長)は、地域住民に病院運営への理解を求める「地域医療を守るために」と題したチラシを作製。白石市と蔵王町、七ケ宿町計約1万7000全戸に配布した。
同病院は昨年4月に常勤医が38人いたが、現在は32人で、うち6人が3月末で研修修了するほか、1人が開業などで去る予定。残る医療スタッフの過度な労働負担による医療事故を防ぎ、地域の中核医療機関の役割を守ろうと、チラシ配布を考えた。
チラシでは、利用者に「最初に、地元のかかりつけ医への受診」を勧めるとともに、入院や手術を要する重症患者の対応を優先すると説明。新患の受け付けは、小児科、泌尿器科、耳鼻咽喉(いんこう)科を除き午前のみに限るとしている。
また、「夜間救急外来は、命にかかわる重症患者のためにある」との基本理念も示した。06年度の午後5時半から翌朝午前8時半までの夜間救急外来患者は約1万500人で、約10%が救急車で搬送されてきた重症患者。残り90%に重症患者もいるが、日中の仕事など自分の都合で夜間に訪れる患者も多いという。
風間市長は「(病院の現状は)大変厳しい状況だ。重症・入院患者は病院で、一般患者はかかりつけの開業医でとの役割分担を明確にする必要がある」としている。【豊田英夫】
毎日新聞 2008年3月13日