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【スポーツ】

バスケ協 無期限資格停止 女子、予選通過でも 北京派遣見送り

2008年3月13日 朝刊

 日本オリンピック委員会(JOC)は12日、東京都内で常務理事会を開き、内紛で2007年度の人事が決まっていない日本バスケットボール協会に対し、無期限の資格停止と07年度の国庫補助金分配金(約3900万円)の全額返還を命じる処分を、18日の理事会と評議員会に提案することを決めた。JOCは同協会への選手強化交付金(約1100万円)の支給停止処分をすでに決めている。JOCは4日の加盟団体審査委員会で退会に値するとの見解を出していた。

 また、女子日本代表が6月の世界最終予選(スペイン)で五輪出場権を獲得した場合でも、同協会が正常化していない場合は五輪への派遣を見送る方針。遅塚研一JOC専務理事は「JOCが認めなければ五輪へは派遣できない。(現状では)無理」と話した。

 同協会は2日の臨時評議員会で次期役員を決めたが、JOCはその人事案も認めなかった。

 また、オブザーバーのJOC関係者に開催を通知しないなど、指導や勧告を無視した役員選考手続きを重大なルール違反として問題視した。

協会内紛 選手に飛び火

 日本バスケットボール協会の内紛が、ついに選手にまで飛び火した。

 同協会が正常化しない場合、女子日本代表の北京五輪派遣を認めないと明言したJOCの遅塚研一専務理事は「今のタイミングで『選手がかわいそう』などと腰が引けていると混乱を助長するだけ」と突き放した。

 アテネ五輪直前、複数のテコンドー団体による主導権争いでJOCから加盟を認められなかった時は、特例で岡本依子を派遣した。

 遅塚専務理事は、「あの手はルールの趣旨から外れる。二度と使わない」と今回は適用しない考えを示す。

 五輪出場のためには同協会の正常化が絶対条件。問題は、協会総意で新会長を擁立することができるかどうかだ。

 2日の臨時評議員会では定足数ぎりぎりでの成立にもかかわらず、同協会の石川武会長代行は「満場一致で決まった人事。(JOCには)ひたすらお願いするしかない」と正面突破を図ろうとした。JOC加盟団体審査委員長でもある市原則之総務委員長は「個人の強引な手法がワンマン体制となった」とあきれる。

 協会正常化のために選手を「人質」にとったようにも見えるが、選手そっちのけで1年近くも人事抗争に明け暮れた協会の姿勢の方が問題なのは言うまでもない。猛省が求められる。 

  (堤誠人)

 

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