ウイルス対策ソフト会社「トレンドマイクロ」(東京・渋谷区)のウェブサイトが改ざんされ、閲覧すると自動的にコンピューターウイルスがパソコンに取り込まれるよう書き換えられていたことがわかった。
同社は12日午前、改ざんされたサイトを閉鎖したうえで、それ以前に閲覧した場合ウイルスに感染した恐れがあるとしてウイルス検索を呼びかけている。
同社によると、今月9日午後9時ごろから、サイトの作動プログラムを書き換える攻撃を受け始め、12日午前になってサイトが改ざんされていることが判明した。改ざんされたのは、ウイルス情報を掲載している計32ページの日本語と英語のサイト。
改ざん部分を閲覧すると、気づかないうちに別のサイトに接続し、次々とコンピューターウイルスをダウンロードする「連続攻撃型ウイルス」の一種を取り込んでしまう。このウイルスに感染した場合、外部からパソコンが遠隔操作され、情報が抜き取られる恐れもある。
ただ、同社では、同社のウイルス対策ソフトを使用していれば感染の危険はないとしており、今のところ被害報告は寄せられていないという。同社は「サイトのプログラムに不備があったため攻撃を防げなかった」と釈明している。
インターネットセキュリティー会社「ラック」によると、同様の攻撃は11日夜から12日にかけ、国内の企業や団体のサイトを対象に急増しており、通常の70〜100倍に上るという。ラックでは「感染するウイルスはオンラインゲームの情報を盗み出すタイプと推定される。自分が開設したサイトが改ざんされていないか点検してほしい」と呼びかけている。
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