社会保険庁は12日、中小企業の会社員が加入する政府管掌健康保険の08年度収支見込み(医療分)を公表した。診療報酬改定で医師の技術料など「本体」が8年ぶりにアップしたことや、4月に始まる75歳以上の後期高齢者医療制度への支援金が1兆3100億円に膨らむことなどから、1700億円の赤字を予想している。5年ぶりにマイナス収支に転じた07年度(赤字見込み1577億円)に続き、2年連続の赤字となる。
加入者の微増で、収入は07年度比1533億円増の7兆2700億円を見込む。
一方、支出は、診療報酬の増額などで給付が約900億円増の4兆3500億円、後期高齢者医療を含む老人関係の拠出金が2兆9000億円で、07年度を300億円弱上回る。総支出額は1556億円増え、7兆4300億円となる見通し。積立金も半減し1700億円に落ち込む。
また社保庁は同日、08年3月から政管健保の年収に占める介護保険料率が、従来より0・1ポイント低い1・13%になることも示した。
今年10月、政管健保部門は社保庁から分離され、非公務員型の全国健康保険協会に移行、財政運営は都道府県単位となるが、社保庁は従来予算と一体的に収支見込みを出した。【吉田啓志】
毎日新聞 2008年3月13日 東京朝刊