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... 看護師不足　県外求人が増加　県内養成機関　学生は地元志向

03/12-12:12--看護師不足　県外求人が増加　県内養成機関　学生は地元志向

　全国的に看護師不足が指摘される中、０６年の診療報酬改定で定められた配置基準（患者７人に看護師１人）を達成し報酬の上乗せを得ようと、都市部の大規模病院が、地方にも採用の手を伸ばし始めている。その影響で、岡山県内の看護師養成機関では、県外からの求人が増加傾向にあるが、学生側は従来通り冷静に就職先を見定め、地元志向が強い。 　「数年前から初めて本校を訪ねてくる県外都市部の病院が増えた」――。ベル学園高（岡山市下伊福西町）の廣江壽彦校長は、状況の変化を指摘する。 　同校への求人は今年度、県内５５人、県外２４７人（０７年１２月現在）。前年同期比で県内は１人減だが、県外は１０６人の大幅増だった。 　しかし、専攻科を昨年度卒業し就職した２７人のうち、県内が１７人。残りも大半が隣県出身者が地元で就職した。 　廣江校長は「地元密着で、先輩がいる病院や実習先を選んでいる。学校からは定着率の高い病院を勧めており、都会の病院は積極的に推薦していない」と強調する。 　国立病院機構岡山医療センター付属岡山看護学校（同市田益）でも、これまで求人の無かった病院からのアプローチが増えたという。伴藤典子教育主事は「パンフレットがより充実し、ＰＲ用のＤＶＤを用意するところも。学生獲得が加熱している感じはある」としており、売り手市場になっているのは確かなようだ。 　ただ、就職状況は変わっておらず、例年と同様に岡山医療センターや出身地にある国立病院機構の医療機関が大半を占め、大学病院などは数人という。 　岡山大医学部保健学科（同市鹿田町）でもここ１〜２年、それまで少なかった民間からの求人が増え始めている。 　進路指導を担当する池田敏子准教授（大学院保健学研究科）は、１年間で３０〜４０病院の担当者に会った。 　しかし、同大では実習先となる付属病院へ就職する学生が、全国的にみても特に多いという。地元病院や都市部の専門病院を選ぶケースもあるが、０６年度は卒業生９４人の約半数が岡山大病院へ就職した。 　池田准教授は付属病院を選ぶ学生が多い点を「大学と病院の間で教育面の連携がうまく機能しており、卒業後も働きたいと思う学生が多い」と分析する。 　岡山県立大（総社市窪木）保健福祉学部保健福祉学科でも、村上生美学科長は「関東の病院から副院長クラスの人が訪ねて来たこともある。そういった状況をみると、現場は深刻だと感じる」と話す。 　だが、就職は例年同様、地元を中心に公的な大規模病院が多く、村上学科長は「卒業時点での学生の不安は大きく、就職後の教育が充実しているところを選んでいる」と指摘。その上で「病院側の戦略は変わってきていると感じるが、学生の就職状況がそれに影響を受けているとは感じない」と強調している。