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新作D級アンプ基板のレポート その2

 第2回目は、もう一つの新作D級アンプのレポートです。こちらは出力フィルタなしでステレオ動作します。

 ストロベリー・リナックスが販売する「10W+10W D級ステレオ・オーディオアンプキット [MAX9704]

 これは出力にフィルタを使わないタイプです。

 

2.ストロベリー・リナックスが販売するD級アンプ
 この基板はMAXIM製のD級アンプIC MAX9704を使ったオーディオ・アンプです。これだけの大きさで、10Wステレオ出力です。
  
 このD級アンプは過去にレポートした秋月電子が販売する「1Wx2ステレオ・デジタル・オーディオ・アンプ・キット 」と同じく、出力にはフィルタを必要としません。比較すると、ICは1個でステレオ構成し、出力は10Wで、コンパクト&大出力です。
使用する電源の電圧範囲は単一電源10V~24Vです。16Ωの時24Vを加えると出力は16Wx2と書かれています。
 このキットの説明書は同社のホームページからもダウンロードできます

2.1部品
 はんだ付けする部品はダイオード、コンデンサ、端子台なので多くありません。ほかの部品としては、入力のシールド線と電源コネクタ・ジャック+赤黒ケーブルを準備しました。説明書には使用する電源アダプタの電流容量についての記載ありませんが、同社のホームページに2A程度のものと書かれています。

 筆者は将来別のものに使うかもしれないので、12V-3.8Aのものを別途準備しました。

08306IMG_0213.jpg

2.2 製作
 製作の手順は、説明書に詳しくあります。簡単に説明すると次のようになります。とくに難しいところはありませんでした。
まず最初はダイオードからはじめ、背の低い順に入力側のコンデンサを4個、電源と出力側(スピーカ側)の端子台、電解コンデンサの順に、それぞれはんだ付けします。
 引き続き、入力端子にケーブル取り付け、基板裏のランドをショートさせます。
 電源端子台に極性間違わないように電源アダプタ用のジャックを取り付けます。電源極性を表示するシルクが端子台の下に隠れますので、先に確認しておきます。

 部品点数が少なくとも間違いがないか十分確認しましょう。

08306IMG_0214.jpg

2.3 動作チェック
 動作チェックのために、それぞれ基板に接続します。
 (1) 出力にスピーカの代わりに15Ω2個並列にした7.5Ω抵抗器を接続します。
 (2) 入力にオーディオ発振器から1kHzを加えます。
 (3) 12V出力のスイッチング電源を差し込んで動作をさせます。

 なお、MUTEとシャット・ダウン端子は使用していません。
 観測は、オシロスコープを出力端子に接続します。出力端子では、次のように1kHzのパルスのようなものが観測できます。

08306IMG_0224.jpg

 時間軸を拡大すると、上向き(下向き)のパルスの集団ということがわかります。

 
08306IMG_0225b.jpg

 念のために入力を無信号にすると、まったく出力は出ていません。


 このD級アンプは、スイッチング周波数(670kHz±7%)を変化させて、周囲に出す妨害電波を分散させるような仕様が入っています。

 実際の10Wステレオ動作は別の人にレポートして貰うことにします。なお、接続する8Ωスピーカは68μH以上のインダクタンスをもつものが推奨されています。

 

3.PicoScope2105での観測
 最後に、今回レポートしている二つのD級アンプ出力のスペクトラムを観測してみます。スペクトラムは秋月電子で販売するUSB接続のデジタル・オシロスコープPicoScope2105で観測しています。

 秋月電子で販売する「新日本無線製D級アンプIC NJU8755」を使ったフィルタ付きD級アンプは、350kHz付近に波形が出ています。

08306jrc001.jpg

 ストロベリー・リナックスで販売する「MAXIM製のD級アンプIC MAX9704」を使ったフィルタなしのD級アンプは、こんな感じになります。

08306_max002.jpg

 引き続き、この二つのD級アンプのステレオ動作は、ほかの人がレポートします。

 後田敏

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