『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』美少女戦士には月がよく似合う
毎月1日は月に一度の映画の日。ということで、知人が面白い、とウワサしていたので、ちょっと見てまいりました。
感想を一口で言ってしまうと「角川映画みたい」。。。って実際、角川映画らしいですけれども。
この映画はSF?ファンタジー?
日本の特撮映画は、どちらかというとファンタジー作品が多いような気がします。(カウントしてないですけれども)。
たとえば、この映画 『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』
「夜毎、チェンソーを持った謎の怪人が空から降ってくる」
と書くと、まるっきりリアリティのかけらも有りません。しかしながら、映画では「画面に映った出来事=映画の中で起きている出来事」。とにかく画面に映してしまえば、どんな荒唐無稽な出来事も、写真週刊誌的なリアリティを持ってしまう。
じゃぁ、なんでも有りなんだからファンタジーなのかというと、あくまでも荒唐無稽な部分は最小限(?)であり、作品世界なりのロジックへの手がかりは、それとなくほのめかされている、という点においては、意外に理屈っぽくてSFチックだなーと(思ったのはわたしだけ?)
月にかわって……
この映画には月が何度となく映っています。
(さらには、ヒロインの身の回りの小物も全てウサギ系で統一)
「セーラームーン」といわず、さらにさかのぼってギリシャ・ローマ神話でも月は、狩を得意とする森の女神アルテミス(ダイアナ)。昔から戦闘美少女には月が似合うようです。
(もっと素直に、「月のうさぎ」 -> 「セーラームーン」へのオマージュ、と見るべきかもわかりませんけれども。)
やはり、月の影が女性の顔のように見えるからなのか、月の形が弓に似ていることからの連想なのか。。。などと、ムリに理屈を付けようとせず、『似合っているものは似合っているのだ。』と言い切って、美少女が戦っているシーンと月そのものが映っているシーンをひっくるめて、理屈ぬきで、タロットの『月』をつかってタグ付けしてしまうことのほうが、この映画には似つかわしい気がします。なんとなく。
カウンセリングされるヒーロー(ヒロイン)たち
2008-02-02 少し追記
この『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』、主人公陽介の役回りは。。。ヒロインを応援するだけ、という(汗)狂言まわしといえばそうなのですけれども。
しかしながら、見方によっては
- ヒロインが夜毎訪れる悪夢に悩まされる
- 主人公は、直接何かをするわけでは無いけれど、話を聴く、という形で問題解決に協力する。
という、見た目、カウンセリングっぽい展開。*1普通に友達とダベってるだけ、といえばそうなんですが。
ハリウッド映画でも、コミック版先日テレビで放映してたXMENも、みんなプロフェッサーXに相談しますし、映画「スパイダーマン2」でも主人公ピーターがスーパーパワーを失ってお医者さんに相談する場面が。コミック版ですとスパイダーマンの姿で「先生、ベノムが強くて困っています」と相談する場面がありました。
悩めるヒーローっていうと、ビルのてっぺん等で風に吹かれて(雨にうたれて)物思いにふけってる絵が思い浮かびます。で、「ネガティブハッピー~」も、ありがちとはいうものの……基本的には、ベタな『ツンデレ』系の話ではありますが、心の交流、みたいな部分を、それなりに丁寧に描いてて、なんかほのぼのしてて(?)こういうのも好きかも。
というわけで、香山リカ、斎藤環(敬称略)などなどによる『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』評なんてのがネットに有るんじゃないかという気がして探してみたのですが、よくわからず。残念。
*1
あくまで「ぽい」ですが
2 月 6th, 2008 at 8:17 pm
映画「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」…
●魂の叫びを聞き取れるかどうかが分かれ道の現代版青春物語●心の内に秘められた葛藤をビジュアル化。耳を澄ませばきっと聞こえるはず。キミはシンクロできるか。 (more…)