
美肌の大敵、紫外線ケアは夏だけで大丈夫なんて思っていない!? 実は紫外線の量は、暖かな日差しが気持ちよくて、ついつい油断しがちな春先から徐々に増えているのです。白肌を手に入れるためには春だって気を抜けない! ということで、「紫外線って?」「紫外線対策はどうしたらいいの?」など、日ごろ感じている素朴な疑問について、京都府立医科大学皮膚科・市橋かおりさんに話を聞きました。
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京都府立医科大学皮膚病態制御学
アレルギー性皮膚疾患・皮膚科専門医
市橋かおりさん
皮膚科の先生だけあって、さすが美肌の持ち主。
これからの季節、日傘は欠かせないそう |
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紫外線って何
紫外線が肌によくないことは知っているけれど、そもそも紫外線ってどういうもの?
UVB放射量の年間変動 |
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※気象庁データより |
「紫外線とは、波長が200〜400ナノメーターの太陽光線のことを指します。紫外線の中でもUVA、UVB、UVCの3種類の波長があって、UVCと呼ばれる紫外線は、そのほとんどがオゾン層でカットされるので、私たちは、UVAとUVBの2種類について紫外線ケアをする必要があります。UVAは、浴びると肌を一時的に黒くしたり、肌の弾力を失わせシワを作る原因になったりします。UVBは、いわゆる“日焼け”の原因になるもので、肌に赤みや炎症を起こす作用があります。UVAとUVBでは、それぞれ性質が違って、肌に与える影響も変わってくるんです」
では、それぞれの性質に合わせた対策をする必要がありそう。「そうですね。特にやっかいなのは、UVAは窓ガラスを通過してしまうこと。なので、部屋の中にいてもある程度UVケアは必要なんです」
こまめなケアが一番の紫外線対策
グラフを見ると、紫外線は4月から真夏になる8月にかけて強くなっています。「日差しの強いお天気の日が増えてきたので、今の時期からしっかり紫外線対策をする必要があります」。具体的にはどんな方法がありますか? 「まずは、日焼け止めを塗ること。肌が弱い人の中には、日焼け止めに入っている成分で肌がかぶれてしまう人もいます。毎日使うものなので、最初にサンプルで試して、自分の肌に合うかどうかを確かめてから日焼け止めを買うことをオススメします」
選ぶときのポイントは? 「日焼け止めには、その効果を示す目安としてSPFとPAの表示があって、PAとはUVAから、SPFとはUVBから、肌を守る効果を示しています。日常生活なら“SPF30”“PA+”くらいあれば充分ですよ」
化粧下地にUVカットの成分が入っているものはどうですか? 「朝に化粧をして会社へ行っても、3時間くらいで効果が薄れてくるので、昼、ランチなどで外へ出るなら、直前にもう一度日焼け止めを塗ってでかけた方がいいですね。あとは、傘や帽子などで、なるべく肌を紫外線にさらさないようにするという方法も。弱い光であっても長時間浴び続けると光老化といって、肌への悪影響は出てしまいます。ちょっと外へ出るときでも日焼け止めを忘れずに塗って、外を歩くときはなるべく日陰を歩くなど、日ごろからの小さな努力が大切です」
日焼けをしてしまったら
油断して、つい焼けちゃったということもありますよね。そういうときには…? 「日焼けによる炎症を長引かせないようにすることが大切です。
日焼け直後は、肌から水分が逃げてしまっている状態なので、しっかり冷やして、いつもよりたっぷりめに化粧水をつけて水分を与えるといいでしょう。むやみにパックをしたり、こすったりしないでシンプルにケアしてください。もし日焼けをして痛みが引かないようなら、それは軽いやけどの状態。皮膚科に行って早めに対処してくださいね」
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自分流ケアで無理なくこまめに
普段の紫外線対策は、化粧水や乳液にもUVカット効果がある美白シリーズを使い、月に2回フットサルをするときは、「SPF」や「PA」の数値が高い強力な日焼け止めをしっかり塗っています。日焼け止めをそのまま塗ると肌がカサついてしまうので、日焼け止めに乳液を半分混ぜて塗っているんです。そうすると日焼け止めの伸びもよくなって、乾燥することもなくなりました。日焼けをしたと思ったら、ホワイトニング効果のあるジェルを塗って、その日のうちにケアするようにしています。 |
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まずは健康な肌づくりから
過度なUV対策は逆に肌を痛めてしまうので、日に当たる時間帯で弱めのもの、少し強めのものと使い分けています。オイル入りは塗布しやすいのですが、油焼けをすることもあるので私はなるべく穏やかなSPFでオイルフリーを選んでいます、日焼け止めはたっぷりの泡で優しく洗い流して、保水ケアも欠かしません。日焼けしても跡が残りにくい健康な肌作りを大切にしています。「化粧水の成分にも配合されているハト麦は美白にも効果がありますよ」と教えてもらったことがあるので、水代わりにハト麦茶を飲んだりもしています。 |
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瀬川 友映さん(事務・30歳)
「日焼け止めを買うときは低刺激と書いてあるものを選ぶようにしています。また、日差しが強い季節は週1回の美白パックは欠かせません。あとはバナナや季節の果物など、毎日2種類の果物を食べるようにしています」 |
UKさん(事務・26歳)
「午前11時〜午後1時は、1日のうちで最も紫外線量が多いと聞いたことがあるので、なるべくその時間帯は外に出ないようにしています。どうしても出ないと行けないときは、地下道を通ったり、日陰を歩いて日傘をさすように気をつけています」 |
UFさん(営業・23歳)
「日焼け止めは一年中! 見落としがちなうなじは、髪をおろしている日でも必ず塗るようにしています」 |
PHOTO 橋本正樹(市橋かおりさん)、山.晃治(武甕希美子さん)、ナリタナオシゲ(西村智絵さん) |
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