mixiの中で保護されるべき通信の秘密情報について--規約改正に絡んで

なんだか誤解があります？

mixiは、総務省へ電気通信事業者の届出をしていますが、電気通信事業者であるからと言って、SNSの中の情報すべてを「通信の秘密」として取り扱うべきなのかと言うと、決してそうではありません。

電気通信事業者が保護するべき通信の秘密は「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密」になります。

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■電気通信事業法
（検閲の禁止）
第３条　電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。
（秘密の保護）
第４条　電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
２　電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
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基本的に、まず大前提として、不特定多数がいつでも誰でもアクセスできる「オープンな情報」の場合は、譬えSNS内といえども、広く一般に公開されている「"公然性のある通信"情報」とみなすことが可能で、その情報自体に「秘密性」はないといえます（ここらへんの定義の正誤は、念のため、総務省の担当窓口に念のため確認済みの内容です）。

では、mixi（即ち、総務省へ電気通信事業者の届出をしているSNS事業者）が保護するべき「通信の秘密」情報は何でしょうか？

電気通信は「不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信」と「特定の者によって受信されることを目的とする電気通信」とに分けることができますが、前者はインターネットのウェブページ、電子掲示板（BBS）やブログのようなものが該当し、後者はメール送信など送信者が受信者を特定して指定している通信になります。つまり、電気通信事業者が守るべき「通信の秘密」とは「特定の者によって受信されることを目的とする電気通信にかかる秘密」といいかえることができるでしょう。

mixiは、大きくは（おおざっぱには）【1】メッセージ（メール）【2】プロフィール【3】日記（レビュー・アルバムを含む）【4】コミュニティの4種類の属性に分けられるかと認識しています。

（※下記の文章について記載が逆になっているという指摘がありましたので修正しました。）

このうち「特定の者によって受信されることを目的とする電気通信」は
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【1】メッセージ（メール）
【4】コミュニティのうち書き込み閲覧についてクローズドにしているもの（ただしグレーゾーン）
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「不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信」は
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【2】プロフィール
【3】日記（レビュー・アルバムを含む）
【4】コミュニティのうち書き込み閲覧についてクローズドにしていないもの
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といってよいでしょう。


ちなみに、最近見られるようになったサービスですが、パスワード付きブログ（閲覧権限設定が可能なブログ）で、かつ、閲覧権限を与えられているのが数名（つまりごく特定された人）の"コミュニケーションを前提目的としている性質のブログ"、特に、パスワード付きブログで、かつ、たまたまそのメンバー中の1名がブログ開設したが、閲覧・編集権限が複数名に与えられているブログの場合、提供している事業者（例/はてな、FC2など）は、やはり、電気通信事業者に該当する可能性は非常に高いようです。

最後に一言ですが、電気通信事業者が守るべき「通信の秘密」ですが、利用者の同意（事前の通知のみではだめなのです）がある場合は、そもそも通信の秘密の侵害とされませんので、念のため。

Miki / IT系企業 http://d.hatena.ne.jp/love_chocolate/