松山放送局

2008年3月12日 12時7分更新

特別枠の医学生全員に奨学金


医師不足で、愛媛県内の公立病院では休止に追い込まれる診療科も出ていることから、県は愛媛大学医学部が設けている「地域特別枠」の定員を平成21年度から増やしてもらったうえで、特別枠で入学した学生全員に奨学金を出して医師の確保に取り組むことになりました。

全国各地で問題となっている医師不足を解消しようと、国は平成19年8月、都道府県が奨学金を出す代わりに、学生に卒業後9年間は地域の病院での勤務を義務づけることで、大学の医学部の定員を北海道は15人、都府県は5人ずつ増やすことを認めています。

これを受けて愛媛県は現在、愛媛大学医学部が設けている県出身者を対象にした「地域特別枠」について、平成21年度から定員を5人から10人に増やしてもらうことにしています。

そのうえで、医学生、2人程度に3年次から卒業までは毎月、10万円、初期臨床研修の2年間は毎月、4万円を出すいまの奨学金制度を見直し、「地域特別枠」で入学したすべての学生に、入学金と、卒業まで6年間の授業料の全額、それに生活費を出すことにしています。

また、地域医療を担う医師を育てようと県が愛媛大学に寄付をして、その寄付金で地域医療の専門の講座を設けてもらう方針です。
愛媛県は、こうした取り組みとともに保健福祉部にある今の医療対策室を来月から医療対策課に格上げして体制を強化し、県内の医師不足に歯止めをかけたいとしています。