2008年3月12日 9時4分更新
症状の重い患者を救急搬送する際、医療機関から10回以上受け入れを断られたケースが福島県内で去年1年間に7件あったことがわかりました。
このうちいわき市では脳梗塞の男性患者が19回も受け入れを断られたケースもありました。
福島県は救急搬送の実態を調べるため、県内の12の消防本部を対象に調査を行いました。
調査結果によりますと、去年1年間に、症状の重い患者が医療機関から受け入れを5回以上断られたケースは88件あり、このうち、10回以上断られたケースは7件ありました。
また、救急車が、患者のもとに着いてから搬送先の医療機関に出発するまでにかかった時間が1時間を超えたケースは12件あり、なかには2時間半以上かかったケースも1件ありました。
とくに深刻なケースでは、いわき市で、脳梗塞の80歳代の男性患者が19回も受け入れを断られ、救急車が着いてから出発するまでに49分もかかっていました。
医療機関が受け入れを断った理由では、▼「処置困難」が748件と最も多く、次いで▼「専門外」が365件、▼「手術中、患者対応中」が199件、▼「ベッドが満床」が169件などとなっています。
調査結果について福島県では、「医療機関の受け入れ態勢が不十分な現状があらためて浮き彫りになった。受け入れ態勢の確保とともに消防との連携を強化しながら改善に努めていきたい」と話しています。