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第165回:親指シフト とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


日本語を指でしゃべるキーボード

 親指シフトは、富士通がワープロ製品「オアシス」で採用した独自のキーボード用日本語配列です。

 パソコンなどで標準的に使われているキーボードは「旧JIS配列」または単に「JIS配列」と呼ばれているものなどですが、親指シフトキーボードは図のように、JISとは同じキーに全く違う文字(かな)が割り当てられています。

 あまり一般には馴染みのないキーボードですが、「日本語を指で喋るキーボード」と呼ばれるほど、慣れるとかなりの速度で文章を打ち込めるようになるという特徴があります。かつてのワープロ検定などでも、親指シフトのほうが、JIS配列でのかな入力やローマ字入力に比べて非常に早く文章を打ち込めるため、合格率が高いとまで言われていました。

 利用者の全盛期は、ワープロブームの1980年代で、現在ではあまり使われていないのですが、当時からのワープロユーザーをはじめとして非常に根強いファンがいます。

 携帯電話に外付けできるキーボードも、ローマ字入力しかできない、あるいはJISかな配列になっているのが普通ですが、中にはこのような親指シフト配列が利用されているモデルも販売されている製品があるようです。


いわゆるJIS配列とは異なる親指シフトの日本語配列。3段配列や同時打鍵を可能にしたことで、より高速な入力が可能という

3段配置、同時打鍵でスムーズな入力を実現

リュウドの携帯電話用外付けキーボード「Rboard」の親指シフトモデル
 親指シフトによって「高速な日本語入力」ができる理由の1つは、「かなの配列がキーボードの3段にまとめられている」ということによります。このJIS配列キーボードでは、かなキーがキーボードの一番上の数字キーから4段に配置されていますが、親指シフトでは、かなが数字キーを除く3段に収まっています。

 キーボードを打つときには、「ホームポジション」といって左手の人差し指を英字の「F」のキーの位置に、右手の人差し指を「J」のキーの位置に置く状態が基本になります。

 ここから、文字入力の際にはいろいろな文字を満遍なく打つことになりますが、効率よく入力していくためには、指はなるべくあちこちへ行かない方が速く打てることになります。JISキーでは、「あ」「う」「え」「お」といった文字が出てくるたびに指が遠く数字キーまで行ってくることになり、非常にばたばたとしたキー操作になってしまいます。

 親指シフトキーでは、かな配列がホームポジションを中心に3段にコンパクトにまとまっています。指がホームポジションにある状態でかな文字のうち、約6割が打てるように配置されているのだそうです。

 この「3段配置」を実現しているのが「シフトキー」の存在です。JIS配置では、1つのキーに1つのかな文字が割り振られています。親指シフトでの配列では、1つのキーに2つ(一部では3つ)のかな文字が配置されています。このかな文字と、親指の位置にある「シフトキー」を同時に打つ「同時打鍵」するか、あるいはキーだけを打つかによって、複数のかな文字をスムーズに切り替えて入力できるのです。



URL
  日本語入力コンソーシアム
  http://nicola.sunicom.co.jp/

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(大和 哲)
2004/02/03 12:02

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