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佐賀県立病院:ごたごた…派遣の外科医6人引き揚げ 県と九大側、運営方針で対立

 佐賀県立病院「好生館」(佐賀市水ケ江)の外科医8人のうち、九州大学病院第2外科から派遣されている6人が今月末、一斉に同病院から九大に戻ることが11日、分かった。新年度の病院運営方針を巡る県と九大側の対立が背景にあったとみられる。県は後任医師を地元の佐賀大から確保して乗り切る方針。

 県によると、九大第2外科と県は今年2月、08年度の病院のスタッフ構想を協議した。県は「さまざまな人材を採用したい」と、九大以外も含めた幅広い人材確保を提案したが、九大側は「九大第2外科で結束したい」と異論を唱えたという。

 その後、第2外科が派遣医引き揚げを決めたという。県健康福祉本部の佐藤敏行本部長は「九大とは路線が違ったということ」と話す。

 これに対し、九大病院第2外科の責任者の前原喜彦教授は「こちらから引き揚げを言いだしたのではない」と強調。「外科医療はチームでやらないと成立しないと県側に説明したが、受け入れてもらえなかった。(古川康)知事から派遣を断る申し出があったので、それに従った。地域医療に貢献したかったのに残念だ」と話している。

 県は急きょ佐賀大医学部に後任の医師確保を依頼。医師は確保できる見通しだという。

 九大病院の派遣医をめぐっては北九州市立若松病院(若松区)で、常勤の内科医師6人全員が5月末までに九大に戻ることが決まっている。市は後任を確保できず、6月から新規入院患者の受け入れを中止。入院中の患者についても5月末までに転院を要請する方針。【上田泰嗣】

毎日新聞 2008年3月12日 西部朝刊

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