つけようつづけよう成長曲線

「小さくてかわいいよね」では済まされない。もし病気だったら・・・。

成長ホルモンの分泌異常や親の愛情不足などでも、低身長は起こります

進藤晶子さんプロフィール

進藤: 成長曲線のグラフは、どう見るのですか?


堀川: 成長曲線の範囲内にあって、グラフの線にそって成長していれば問題ありません。注意したいのは−2SD(左下参照) を大きく下回る場合、また、成長の伸びが鈍ってきている場合です。


進藤: どんな問題があるのでしょう?


堀川: 急に背の伸びが止まってしまったときは要注意。脳腫瘍などの可能性もあります。 徐々に鈍ってくるときは、成長ホルモン分泌不全や骨の病気、また女の子の場合は染色体異常によるターナー症候群(※2)も考えられます。 そのほか、親子の間に心が通わないために起こる愛情遮断症候群(※3)などもあります。


進藤: いろいろな病気があるのですね、知りませんでした。子どもと心が通わない――これはどういう意味でしょう?気になります。


堀川: 成長には愛情も必要です。子どもは「自分は守られている」「可愛がられている」という気持ちを持てないと大きくならないのです。 食べ物を与えない、世話をしないという虐待の場合もあるのですが、親が子どもをかわいいと思えない、何をしていいかわからないといった場合でも成長障害が起こってきます。


進藤: いまは娘にべったりで、私も子どもに戻ったような生活をしています。それでも気持ちが伝わっているかなと不安になります。 周りも働くお母さんが多く、かかわる時間がどうしても減ってしまう・・・。それも愛情やコミュニケーション不足につながりますか?


堀川: そう心配される方も多いのですが、接する時間の問題ではないと思います。短時間でも一緒にいるときに、心からかわいいと思って接してあげてくださいね。


堀川玲子先生プロフィール

*成長曲線の見方
お子さんの身長・体重を、年齢に合わせて記入します(グラフは性別によって違います)。 SD(Standard Deviation)とは標準偏差ともいい、平均値からどれだけ離れているかという「幅」を示します。 お子さんの身長が、+2SD〜−2SDの範囲内なら正常です。+2SDを超えるものを高身長、−2SDを下回るものを低身長といいます。