進藤: 昨年娘を出産しました。子どもの成長は私にとって気になる話題。今日はいろいろ聞かせてください。子どもの成長が問題になるのは、どのようなときですか? 堀川: 子どもの成長には、同年齢の子どもたちの身長と体重データを性別に分けて集計・算出した「標準」があります。 その標準から大きく外れているとか、徐々に離れていくことを成長障害といいます。これは注意が必要でしょう。 進藤: 私の娘はすこし小さめに生まれました。また、3月生まれということもあって、同学年の子と比べたからだの大きさが心配です。大丈夫でしょうか? 堀川: 出生時に小さいのは低出生体重といい、約85%〜90%は2〜3歳までに標準に追いつきます。あまり心配しすぎないでください。 追いつかないと成長障害に入ることもあります。一般的に低身長の原因はほとんどが体質的なもので病気ではありません。 ただ、成長ホルモン(※1)分泌不全などの病気が潜んでいる場合もあり、女の子のほうが受診にいたるケースが少ないのです。 |
進藤: どうして女の子のほうが受診していないのでしょう? 堀川: 「低身長だと将来困るのではないか」と心配するのは、男の子をお持ちの親御さんに多いと思います。 女の子のほうが「小さくてかわいい」と思われがちで、社会的に困るような問題も生じにくい。そんな背景が影響しているのではないでしょうか。 進藤: なるほど、周りの大人が小さくても安心してしまうんですね。男の子と女の子の受診の割合は、どのくらい違うのですか? 堀川: 成長ホルモン分泌不全の治療を受けている割合は、男の子68%、女の子32%との報告があります(*)。私が日頃の診察から受ける印象としては、男の子6対女の子4くらいですね。 |
*KIGS Japan調べ。特発性成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者さんの割合
KIGS:ファイザー成長障害治療データベース