厚生労働省は10日、人工透析などで使用されている血液抗凝固剤「ヘパリンナトリウム」を製造、販売しているテルモ(東京都)、大塚製薬工場(徳島県鳴門市)、扶桑薬品工業(大阪市)の3社が同剤の自主回収を始めたと発表した。
国内では副作用報告の増加はないが、3社に原料を供給している米国企業が、ヘパリン製剤で重い副作用が相次いだ米バクスター社にも原料を供給していたことが判明したため「予防的な措置」として回収を決めた。
厚労省によると、人工透析で使用されるヘパリン製剤の約半分が今回の自主回収の対象となるなど、影響は大きいとみられる。同省は他の製剤への代替が困難な場合は、患者に十分説明して副作用に注意しながら使用するよう求めている。
3社に原料を供給しているのは米SPL社。
米国では昨年12月以降、バクスター社製のヘパリン製剤投与後、アレルギー反応などの副作用報告が増え、448人中21人が死亡。