大阪府の橋下徹知事は11日、府議会の一般質問で、知事を批判した民主府議に対し、別の質問の答弁で「卑怯(ひきょう)な大人」と反論し、激論となった。民主側は「答弁を求めていないのに、別の質問で反論するのはルール違反。内容も言い過ぎ」と抗議。岩見星光議長は、議事録から発言を削除することを決めた。今議会で橋下知事の発言が議事録から削除されることが決まったのは3度目で、極めて異例の事態となった。
この日、民主の中野隆司府議が非行少年の自立支援施設について質問した際、橋下知事の著書を掲げ、「『罪を犯した少年のために税金をつぎ込む必要があるのか』とあるが、私人時代のコメントとはいえ府民に混乱を招く。出版物を回収すべきだ」と批判した。
橋下知事はこの質問での答弁は認められなかったが、別の質問で、「子供たちには、著書の一節を用いて発言しながら、答弁の機会を与えないような卑怯な大人になってほしくない」などと反論の答弁をした。
この答弁に民主側が記事録の削除を岩見議長に申し入れ。岩見議長は橋下知事に注意するとともに、発言を議事録から削除することを決めた。
今回の議会で橋下知事は、5日の代表質問と10日の一般質問でも問題発言し、発言が議事録から削除されることが決まっている。府議会事務局の担当者は「知事や議員が1回の議会で何度も発言を削除される例は聞いたことがない」と話している。
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