リストアップされているミステリが、展開が派手なものが多いので、紹介しようかどうか迷ったのですが、私がお勧めするのは海堂尊の作品――。
- 「チーム・バチスタの栄光」(海堂尊/宝島社/2006年3月/1,680円)
- 「ナイチンゲールの沈黙」(海堂尊/宝島社/2006年11月/1,680円)
- 「螺鈿迷宮」(海堂尊/角川書店/角川/2006年11月/1,680円)
- 「ジェネラル・ルージュの凱旋」(海堂尊/宝島社/2007年04月/1,680円)
「半落ち」の病院版といった感じ。
著者は現役医師だけあって、病院を舞台とする設定は超リアル。一方、登場人物はコミカルな人間ばかり。まったく冴えない主人公の中年医師と変人官僚の掛け合いが笑えます(映画版で美男美女の組み合わせになってしまったのは残念!)。アニメネタも盛り込まれていたりして、エンターテイメントの要素もたっぷり。
ミステリーの体裁をしていますが、各々で異なる医療問題を扱っている点がユニーク。体裁のカラーリングを替えているのも象徴的ですね。
小説中の登場人物に医療問題を語らせたノンフィクション本が下記。あのブルーバックスの1冊です。
- 「死因不明社会」(海堂尊/講談社/2007年11月/945円)
あえて映画やコミックスへ展開したのは、おそらく医療問題に対する国民の認知度を高めるためではないか‥‥と、うがった見方をしてみたりして。
海外作品では、ちょっと古いところですが、SFの大家・アイザク・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズ(邦訳版は東京創元社から)。1972年から2003年(没後)にわたる長期連作ですが、範囲に入れてよいですか?
こちらは、失せものを探したりする地味な話ばかりで、「現場」すら出てこない。でも、登場人物が面白く、水戸黄門のように“決め”のパターンが定まっており、これはこれで楽しめる。
私も、無給でいいので、ニューヨークのミラノ・レストランで毎月開催されるという「黒後家蜘蛛の会」の給仕をしてみたい。
了解です!
読む前から「チーム・バチスタの栄光」はピカイチだと決めています。問題は、「いつ読むか」ですね。明日の予定を気にしない完全フリーな夜のためにとっておきます。
「黒後家蜘蛛の会」は未読ですが、海外編ベスト10のどれと比べて極上なのか気になるところ。
2
回答者:
marimari25
2008-03-11 10:35:37
こんにちは。
私もミステリーが大好きです!
でも私の場合、少し偏っていまして
・作者は日本人の男性
・密室
でなければ読まないんです。
本当は綾辻さんがお薦めなのですが質問者さんのブログ?に既に名前が挙がってますし、
知っていたらすみません。
そんな私のイチオシわぁ!ズバリ!
森博嗣
「すべてがFになる」
と、
東野圭吾「容疑者Xの献身」
かな?まー有名なんでもう読まれているかな?
それと少しズレますが過去の別冊宝島で紹介された
http://tkj.jp/book/book_01441601.html
めちゃくちゃ面白かったです。
なぁーんて言うんでしょうか。。。これもお薦めします!
私は大阪に住んでいるんですがこの作者に会いに行き、握手をしてもらいました(笑)
作者のプロフィールがまた面白いんですけどね。
「日本人の男性作家」+「密室」ですか…
ストライクゾーンが小さいと色々大変なような気が。「すべてがF」は評判があまりにも高く、期待MAXで読むと裏切られる率が極めて高いため、封印してます。「容疑者X」は嫁さんが「読まんでよろしい」と断罪しているので手を出してません。
3
回答者:
hrkt0115311
2008-03-11 10:41:18
岡嶋二人時代に書いた「クラインの壺」でお腹一杯ッすー
「ダレカガナカニイル…」が傑作だという噂をきくのですが、どうなんでしょうね?
「リング」 鈴木光司
度重なる映画化で手垢がつきまくりの感はあるけど、リングは好き。
「バトル・ロワイアル」 高見広春
設定の異常さとそこに登場する少年少女の普通な感覚、そしてその中にいる異端。
「青の炎」、「クリムゾンの迷宮」 貴志祐介
この辺も面白かった。
ハサミ男、私も好きです。ひっくり返りました。
なんか映像化作品が多くなってしまった。本格推理から遠いし。
「リング」は予備知識ゼロで読んで、いったい何の話なのか見えないところまでは満点でしたねー(分かってからは予定調和ということで)。「バトルロワ」「クリムゾン」も良い良いという話は聞くのですが、20年分のベスト・オブ・ベストに乗っかってくるか微妙ですね。
私もハサミ男にはかなりやられました。。
・貴志祐介「13番目の人格」
・貴志祐介「青の炎」
・岡島二人「99%の誘拐」
・雫井脩介「火の粉」
・東野圭吾「容疑者Xの献身」
海外ものはあまり読まないのですみません。。
「ハサミ男」からたぐると、確かにこんなラインナップになりますね。オススメいただいたリストは全て未読なのですが、20年分のベストにこれらが入るのかというと…
6
回答者:
snark_tail
2008-03-11 12:47:51
私は日本のものでは、「ガダラの豚」が一番です。「このミス」で見つけた本なのでミステリーの範疇は間違いないと思います。
ボリュームといいスケールの大きさといい、日本人離れした大人のファンタジーです。
了解です。
「ガダラの豚」は徹夜小説としても評判なので、「完全フリーな夜に読む本」としてチェックしています(2ちゃんねらが選んだベストにも入ってます)。
国内物限定になりますが、
「不夜城」がお好きならべたですが大沢在昌「新宿鮫」シリーズはオススメです。
また、「半落ち」と同系の警官物としては直木賞の候補になった佐々木譲「警官の血」や短編集「笑う警官」もオススメできます。
桐野夏生「柔らかな頬」や貫井徳郎「プリズム」は結論が明確でなく仮説が繰り返す形式で、ちょっと変わった楽しみが出来そうです。
「白夜行」のように重たいのも大丈夫そうなので高村薫「マークスの山」も読み応えがあると思います。
名前の挙がっていない作家から選びました。メジャーなものばかりですみません。マイナーなものが挙げられるといいのですが、新本格・叙述がNGだとメジャーどころしか浮かびません。
マイナーどころだと永井するみ「枯れ蔵」は農業物で目新しいのですが、ベスト20と比べると見劣りしますしねぇ
「新宿鮫」「マークス」はベスト20に入れようかどうしようか迷った作品です。そういうと、桐野「OUT」と貫井「慟哭」あたりも入れないとバランスがとれないような… ともろもろ考えた挙句、全部外して今のリストになっています。
「警官の血」は、もーちょっと落ち着いてから手にしてみようかと。
叙述トリック大好き人間なので、マイベストを考えるとそっち系が中心になってしまうのですが、
今回は叙述系はなしということで、それ以外にどんな作品が好きなのか考えてみました。
国内作品
連城三紀彦「戻り川心中」、浅田次郎「蒼穹の昴」、山口雅也「生ける屍の死」、
岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」、 島田荘司「奇想、天を動かす」
海外作品
R.D.ウィングフィールド「クリスマスのフロスト」、J.T.ロジャース「赤い右手」、レジナルド・ヒル「死者との対話」
クリスチアナ・ブランド「暗闇の薔薇」、クリストファー・プリースト「奇術師」
「このミステリーがすごい!」上位(たぶん)の有名作品ばかりになってしまいました。
あまり参考にならなくてすいません。
「フロスト」はベスト20に入れるかどうか悩みました。浅田次郎「蒼穹の昴」とプリースト「奇術師」が読むぞリストに入っています。極上の作品は甲乙つけること自体が矛盾していますねー
この質問・回答へのコメント
「春期限定いちごタルト事件」「夏期限定トロピカルパフェ事件」 米澤 穂信
人が死なないミステリー。伏線が最後にまとまっていく様はなかなか。