パリ・オペラ座バレエ団名古屋公演
世界最高峰のバレエ団が来日!5月29、30日 愛知県芸術劇場大ホール
【社会】譲渡交渉 すべて不調 新銀行東京『持参金1000億円』断念2008年3月12日 07時06分
深刻な経営難に陥った東京都出資の新銀行東京が昨年来、他の金融機関への事業譲渡に向けた交渉で、事実上の“持参金”に当たる預託金一千億円を条件として相手先に求められ、断念していたことが十一日、関係者の話で分かった。 交渉は不調に終わり、▽都による四百億円の増資▽事業清算▽預金保険法による破綻(はたん)処理−という「進むも引くも地獄」の選択を迫られた格好。都は十一日の都議会予算特別委員会で、破綻した場合のペイオフの対象となる預金は四百四十七億円になるなどの見通しを示し、増資に理解を求めた。 同特別委での都側答弁によると、新銀行は昨年夏以降、事業譲渡や資本提携を視野に、都銀など国内五行、外国銀行を含む外資系六社と交渉したが、不調に終わった。 関係者によると、新銀行の累積赤字が一千億円近いうえ、▽貸し倒れリスクの高い無担保・無保証融資が主力業務▽高金利で大量に集めた定期預金のコスト−といった台所事情が、譲渡先探しの足かせになった。 交渉した中には、新銀行側が「もう一歩」と感じる金融機関もあった。ところが、「引き受けには預託金一千億円が必要」などと条件を示されたといい、「体よく断る口実にすぎなかった」(関係者)と、冷ややかに振り返る向きさえある。 十一日の同特別委で、石原慎太郎都知事は「四百億円の重みは十分にわきまえているが、(増資という)この方法しかない」と強調。その上で、増資が「現在とり得る唯一の方法」とする“消去法”の根拠として、都側は答弁で他の選択肢による影響を提示した。 それによると、事業清算の場合、過去の同規模の金融機関による破綻例を挙げ、「五割以上の資産の回収が見込めず、想定の損失額は一千億円に及ぶ」と説明。 破綻処理の場合、「わが国で最初の『ペイオフ』が発動され、影響が計り知れない」とし、一月末現在でペイオフの対象となる一千万円超の預金は個人・法人合わせて九千六百十件あり、総額は四百四十七億円分に達するとした。さらに、同行の貸出債権の多くが整理回収機構に移管される可能性が極めて高く、融資先が新たな融資を受けられないなどして事業継続が困難になるとした。 ■『私が社長なら大きくなった』 「私はジュリアス・シーザーでもアレキサンダーでもない。一人の発案では行政は動かない」 石原慎太郎東京都知事は、新銀行東京への増資の是非をめぐる論戦が始まった都議会予算特別委員会で、野党・民主の質問を、こういなした。石原知事の「トップダウン」で設立した新銀行の経営悪化の責任がある、との追及に対する答弁だ。 「最も大きい知事の責任は、全庁的な議論もないままトップダウンで銀行設立を決めたこと」と民主がたたみかけると、石原知事は「あなたの政党の大将の小沢さんも、相談もせずに(自民党との)大連合を持ち出し、取り消し。そういうのをトップダウンという」と、民主の小沢一郎代表を引き合いに皮肉たっぷりにやり返した。 また共産は「あなたが会社の社長なら一千億円の大穴をつくれば即、辞任だ」と追及。すると石原知事は「最初から私が社長だったら、もっと大きな銀行にしてました」と切り返した。 委員会初日の論戦を終えた石原知事は、記者団に「あの程度の議論で都民の十全な理解を得るにはちょっとほど遠いねえ。もうちょっと精緻(せいち)な説明をしませんとね」と感想を述べた。 (東京新聞)
|