【3月12日 AFP】脳卒中は3分以内に脳に損傷を与える。このような研究結果が前月、英医学誌ニューロサイエンス(Neuroscience)に発表された。
研究を行ったのは、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)の神経科学者ティム・マーフィー(Tim Murphy)博士率いる研究チーム。脳卒中が発生してから3時間以内に病院に行けば命は助かるが、非常に早い段階に(脳)構造の変化が起こるという。
研究を支援したカナダ心臓脳卒中基金(Heart and Stroke Foundation of Canada)によると、脳卒中の約80%は血栓により脳への血流が遮断されることで発生する局所貧血だという。このような症状は血栓溶解薬で治療することができるが、すべての患者に効くわけではない。
研究チームはマウスの脳への血流を妨げることで脳卒中を引き起こし、ハイテク画像技術を使って影響を観察した。その結果、マウスに「虚血性脱分極」と呼ばれる大量の放電が起き、「ニューロン」と呼ばれる脳神経細胞が肥大していることが分かった。
すぐに血流を復活させることで大部分のニューロンの損傷は回復できたが、約6%は元の状態には戻らなかった。
マーフィー博士は、3分間では助けを呼ぶこともままならず、治療もできないと指摘する。そのため、危険因子の管理など、予防が重要という。
カナダ心臓脳卒中基金によると、脳卒中の危険因子には、喫煙、肥満、運動不足、アルコール依存症、糖尿病、ストレス、コレステロールなどがあるという。(c)AFP
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