県議会は十一日、予算特別委員会を開き、七氏が質問した。答弁で県側は救急医療体制
の充実へ、新年度から県立中央病院の救急救命センターの医師を一人増員することを明ら
かにした。公立能登総合病院も常勤麻酔科医を三人確保できる見通しになり、救急救命セ
ンターにふさわしい二十四時間体制の医療が確保できるとした。作野広昭委員(自民)が
質問した。
県立中央病院は三次救急医療機関として二十四時間三百六十五日体制で重篤患者を受け
入れており、救急医は五人から六人に増える。
作野氏は、夜間や休日に患者が集中するため医師や看護師が疲労困憊(こんぱい)し、
患者は待ち時間が長く診療時間は短いなどとして対策を求めた。森久規健康福祉部長は、
一日平均の時間外救急患者が二〇〇二年度は五十三・六人、〇七年度は六十四・七人と年
々増加し、重篤患者が増える一方、軽症患者も九割を占めると説明。「重篤患者への対応
に支障が生じる恐れがあり、医師の労働過重の要因にもなっている」と述べ、救急医の増
員のほか、県民に救急医療機関の適切な利用を啓発するとした。
公立能登総合病院は昨年七月、常勤の麻酔科医が不在のため、救急搬送された女児が県
立中央病院に転送された経緯があり、作野氏がその後の対応を尋ねた。
救急搬送に関して桶屋幸蔵危機管理監は、県内十一の消防局・本部のうち、患者収容に
至るまでの拒否回数を記録していなかったかほく市、羽咋郡市、白山石川広域の三消防本
部でも記録するよう改善されたとした。
予算特別委では山田憲昭(自民)北村繁盛(新進石川)田中博人(政心会)沢田貞(清
風・連帯)尾西洋子(共産)、作野、中村勲(自民)の各委員が質問した。