日経ベンチャーの記事で、
こんなのがあった。
しかし、この記事、どこか変だ。
まず、台湾にはブランドを持つ企業がない、ということ。
ここではASUSTeKが出ているが、Acerは出ていない。
Acerはもう10年くらい前から、「世界ブランド」で、たいへんな売り上げと利益がある。特に中国大陸ではAcerというと、日本のブランド以上の知名度がある。そして、ついこのまえ、Acerは米国第3位のPCメーカーであるGatewayを買収し、世界第3位のPCメーカーとなった。名実ともに、「世界企業」そのものだ。
それに、
台湾はこの10年間で、欧米や日本のIT産業への「部品供給基地」になりましたので、国の規模のわりには、影響力は大きくなりつつあります。電気部品の分野では、台湾の市場シェアーが圧倒的なものも少なからずあります。
という部分。
台湾は2005年、FPDの世界シェアの半分以上を取って世界一の生産量を誇った。FPD(Flat Panel Display)は製品ではあっても、部品とは言わないだろう。今でも、世界シェア一位は韓国となっているものの、それでも世界のほぼ半分のシェアを台湾が持っている。
水俣病で有名になった日本の大企業、チッソは台南に液晶の工場を作り、台湾企業への液晶の供給を大幅に増やした。それくらい、台湾も「製品」を作る国になっている。この例では、むしろ日本企業が「部品」を作っている感じさえする。
この記事を書いた「Lucy Craft」さんは、昨年話題になった、7億一千万ドルものAcerとGatewayの大型買収のこともご存知ないらしい。ちなみに、この買収で、Acerは、年間のPC出荷台数2千万台で、世界第3位となり、年間売り上げ高は、150億ドルになる見込みだ。
いまや「IT]といえば「India Taiwan」の略、と言われるくらいなのだ。
ボーッとした記事を書いていると、こういうことになる、という見本か。
コメントは投稿者の責任においてなされるものであり,サイト管理者は責任を負いません。