Print this Post Article Lists Back

韓国初の宇宙飛行士、交代の理由とは(下)

◆宇宙観光への非難をかわすため無理な行動を取った疑いも

 一部では「韓国政府が宇宙飛行士関連情報の収集を促したのではないのか」との疑惑がささやかれている。ある宇宙開発専門家は、「金額や内容からして一般の宇宙観光と何ら変わりがないにもかかわらず、最初から独自の有人宇宙開発についての情報収集を強調していた。公式的であれ非公式であれ、できるだけ多くの情報収集を要求していたのがこのような結果を生み出したのかもしれない」との見解を示した。

 韓国政府のある関係者も、「過去にも衛星部品の開発で、保安技術を持ち出そうとして外国と摩擦を起こしたことがあると記憶している。今回のことも高山氏が単独で行ったといい切れるだろうか」と疑惑の目を向けた。

◆高山氏、宇宙飛行士としての身分を維持

 高山氏はイ・ソヨン氏と交代して予備宇宙飛行士となった。宇宙船に搭乗するチャンスも現時点では残っている。教育科学技術部によると、これまでロケットの打ち上げ直前に健康異常などで宇宙飛行士が交代した事例が4回あるという。教育科学技術部基礎研究局の李相睦(イ・サンモク)局長は、「可能性は低いが、打ち上げ6時間前の身体検査でイ・ソヨン氏に健康上の問題が生じれば、高山氏が宇宙船に搭乗することになる」と述べた。

 韓国人宇宙飛行士は18日までに乗組員に対する総合訓練を終え、26日にカザフスタンにある宇宙基地に移動する。李局長によると、「4月19日に帰還するソユーズ号には、国際宇宙ステーションの第16次長期滞在要員リーダーだった米国の女性宇宙飛行士ペギー・ウィットソン博士が搭乗する予定だ。そうなると帰還する宇宙飛行士3人のうち二人が女性となる記録も打ち立てられそうだ」と語った。

◆ぎくしゃくするロシアとの宇宙開発協力

 ロシアとの宇宙開発協力が保安問題で問題を起こしたのは今回が初めてではない。今年末に羅老宇宙センターから打ち上げ予定だった韓国製宇宙ロケットKSLV‐Ⅰ号も、当初は核心部分となる第1段液体燃料ロケットを両国が共同で開発することになっていたが、ロシアが技術保護協定保安規定の条項を理由に技術移転を拒否し、打ち上げの日程が3年ほど遅れることになった。またKSLV‐II号の打ち上げも、独自開発の日程を考慮して2010年から17年に先送りされた。

李永完(イ・ヨンワン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
このページのトップに戻る