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韓国初の宇宙飛行士、交代の理由とは(上)

 来月ロシアの宇宙船ソユーズに搭乗して国際宇宙ステーションに向かう予定だった韓国人初の宇宙飛行士が10日、保安規定に違反したとの理由で高山(コ・サン)氏(32) からイ・ソヨン氏(30)=女性=へと最終的に交代となった。宇宙船打ち上げ直前になって健康上の理由から宇宙飛行士が交代となった事例は複数あるが、保安規定違反により交代となった事例は今回が初めてだ。一部では「宇宙観光用という批判を避けるために、宇宙飛行士たちに無理な情報収集を要求したのが原因ではないか」との疑惑もささやかれている。

教育科学技術部は10日朝、政府果川庁舎で緊急の会見を開き、来月8日に打ち上げ予定のソユーズに搭乗する宇宙飛行士が高山氏からイ・ソヨン氏に変更されたことを発表した。韓国航空宇宙研究院の白鴻悅(ペク・ホンヨル)院長が記者たちの質問に答えている。/写真=崔勝鎬(チェ・スンホ)記者

◆保安規定の違反は政府の発表よりも多い

 教育科学技術部はこの日午前11時30分から果川市の政府総合庁舎で公式の記者会見を開き、「訓練規定に違反した高氏を交代させてほしいというロシア連邦宇宙庁の要請に従い、搭乗する宇宙飛行士をイ・ソヨン氏に交代し、これをロシア側に公式に通知した」と発表した。

 教育科学技術部によると、高山氏は昨年9月に訓練教材を誤って個人のスーツケースに入れたまま韓国に送った。さらに今年2月には個人的により深く勉強したいとの思いから、任務とは関係なく宇宙船操縦のための教材をロシア人宇宙飛行士から借り受けて所持していたところ、ロシア当局に摘発されたという。

 教育科学技術部は「ささいなミスが宇宙飛行士の交代にまで至ったのは、宇宙空間では小さなミスや指示違反も大きな事故につながりかねないとロシア当局が判断したからだ。ロシア側から今月7日に搭乗する宇宙飛行士の交代を要請してきた」と明らかにした。

 しかしある政府関係者は、「今月5日に航空宇宙研究院関係者がロシアに向かい、高山氏の問題は直ちに処理した。教材の持ち出しは昨年1回だったが、教材貸与禁止違反はすでに何度も摘発されていた」と述べた。そのためイ・ソヨン氏は韓国政府が宇宙船に搭乗する宇宙飛行士の交代を最終的に決定する前の7日から、すでにロシア人宇宙飛行士たちとの訓練を開始していた。宇宙飛行士の交代は韓国側ではなく、ロシア側がすでに決めていたということだ。

李永完(イ・ヨンワン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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