2008.03.11 Web posted at:  18:43  JST Updated - AP
ワールド

受精卵の生存権めぐり閣僚、病院に脅迫 アイルランド

ダブリン(AP) 試験管内の受精卵に生存権があるかどうかをめぐって論争の続くアイルランドで最近、不妊治療専門病院と政府閣僚に脅迫状や弾薬が送り付けられていたことが分かった。脅迫を受けた当事者らが10日、明らかにした。

脅迫の標的となったのは、ハーニー保健・児童相、前任者のマーティン企業・貿易・雇用相と、ダブリン市内の大手専門病院2カ所。いずれも2月29日に、「アイルランド市民防衛軍」と称する組織から書簡を受け取った。一方の病院ではこの1週間前に偽爆弾騒ぎもあり、同名の組織がメモを残していたという。

これらの専門病院は政府の指示により、不妊治療の過程でつくられた受精卵をすべて保管している。犯行組織は脅迫状の中でこれに疑念を示し、病院が受精卵を破壊しているなどと非難しているという。すでに警察が捜査に乗り出したが、逮捕者は報告されていない。

国民の95%をカトリック教徒が占めるアイルランドでは、胎児の生存権が憲法で保障され、人工妊娠中絶は禁止されている。しかし、子宮外の受精卵については、最高裁が06年、胎児と同等の生存権は確立されていないとの判断を下した。最高裁は一方で、受精卵の保管に関する法律が成立しない限り、すべての受精卵を無期限で保管するよう命じていた。

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