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中国医療機関「鳥インフル対策不十分」 広州の専門家が会見 (2/2ページ)
同時に、今年になってから広東省などでは、鳥インフルエンザのヒトへの感染例が確認されている。二種のインフルエンザに同時感染するケースが発生すれば、人間の体の中で鳥インフルエンザウイルスがヒトからヒトへ感染するものに変異する可能性が高まる。有効な治療方法がなく、致死率も高い鳥インフルエンザが流行すれば、2003年春の新型肺炎(SARS)の時より、もっと大きな被害が出るかもしれない、と鐘氏は警戒を呼びかけた。
また、鐘氏によれば、中国の医療現場での対応はまだ極めて不十分で、昨年末から今年初めにかけて中国国内で確認された鳥インフルエンザ感染の4例は、いずれも農村部貧困層の患者で、高い治療費を負担する能力はなく、発病してから数日がたち、呼吸困難の症状が出てから病院に運ばれている。治療が手遅れになっただけではなく、早期隔離などの措置をとっておらず、万一ウイルスが変異した場合、大流行する危険もあるという。
鐘氏はすでに、全人代の分科会を通じて、鳥インフルエンザの可能性がある患者に対し、まず治療し、あとで費用を払うようにするとか、政府が資金援助するとかの対策に協力するよう全国の病院に求めたことを明らかにした。「広州市はすでに私の提案を受け入れているが、他の地域はどう対応するかはまだ不明だ」と鐘氏は話している。