◇水産加工品にまで農薬…
まさかサバから農薬が--。18日発覚した業務用すしネタ加工・販売「香西物産」(さぬき市鴨庄)の冷凍サバ製品にジクロルボスが含まれていた問題は、関係者に衝撃を与えた。同社は輸入元の商社「神港魚類」(神戸市)と協力し、原因究明に乗り出す。【南文枝、吉田卓矢】
◇社長「調査中」
香西物産は06年10月から、中国山東省の「威海金琳水産有限公司第一分公司」と「威海市宇王水産食品有限公司」に委託し、製造を始めた。農薬が検出された「炙(あぶ)りトロ〆鯖(しめさば)スライス」は昨年3月に生産開始。これまでに11万1096パックを仕入れ、7万2777パックを販売した。
問題の農薬は切り身から検出。デンマークで冷凍する際か、中国で加工する際などでの混入が考えられるが、同社は「調査中」と繰り返した。
同社によると、中国から製品を仕入れる際は、大腸菌などの検査は実施するが、農薬検査は行っていない。
吉川晴夫社長らは「中国に出向いての調査も検討したい」と話した。
◇県の対応
県生活衛生課によると、香西物産から、県東讃保健福祉事務所には16日に第1報が入ったという。県は、同社に、いつ、どこに販売したかの詳細を報告するよう指示。同日中に、同社から製造日や製造場所などの報告を受け、翌17日には県の指示通り、輸入量や取引先リストの報告もあったという。県はその日のうちに厚生労働省に報告した。
同課は「今後、提出されたリストをもとに県内の取り扱い店舗に返品を確認したい」と話している。
また、消費者からの相談は、県内の各保健所か県生活衛生課(087・832・3180)で受け付ける。
◇回転ずし店は
香西物産から冷凍サバ製品を仕入れていた、西日本を中心に約130店舗を展開するある回転ずしチェーン店は、17日の夕方に同社から連絡を受け、同日中に全店舗に、使用中止を指示した。19日以降は、国内加工の商品に切り替えるという。
同店の担当者は「大腸菌やノロウイルスなどの検査はしているが、水産加工品ですから農薬は……」と困惑気味。「今後は、農薬の検査もメーカーにお願いしたい」と話した。
毎日新聞 2008年2月19日