神奈川県小田原市の水産物加工会社「イチコー」が、製造したサバの干物のパック商品について、「ノルウェー産」を「千葉県産」と表示していたことが分かった。商品は、スーパー経営会社「テスコジャパン」(東京都中央区)運営の東京、埼玉、神奈川3都県のスーパー15店舗で販売されたことが判明。背模様の違いを元に記者が指摘したところ、イチコーはミスを認め、スーパーが商品を撤去した。
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イチコーによると、問題となったのは「ひと塩さば2枚入(寒風干し)」(380円)。昨年12月から今年2月にかけて製造した730パックの一部で、主にアルバイトがパック詰め作業を担当した。干物は同社が扱うノルウェー、韓国、国内と国別にケースに分けられていたが、千葉県産を入れるパックに、誤ってノルウェー産を入れたという。
東京海洋大の河野博教授(魚類学)によると、ノルウェー産は背部の模様が濃くラインが真っ直ぐだが、国産は色が薄く、ラインも曲がっている。記者が店頭に並んだ商品を見て指摘すると、スーパーは今月7日に、表示に誤りがあったことを謝罪し、返品に応じる旨の看板を掲げた。
大手流通業者によると、販売価格に違いはないが、国産はノルウェー産の2倍近く売れる。河野教授は「『国産志向』の消費者を意識し、商品を偽装した可能性がある」と指摘。これに対して、イチコーの小宮一幸社長は「深夜まで働くアルバイトが疲労からミスをした。ノルウェー産の方が原価も高い」と釈明している。
商品は「テスコエクスプレス」6店、「TSURUKAME」3店、「つるかめランド」6店で販売された。問い合わせはテスコのフリーダイヤル(0120・656・918)。【三木幸治】
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