大阪放送局

2008年3月11日 18時10分更新

59億円遺産隠し 2人逮捕


遺産隠しの額としては過去最高額となる59億円を隠していたとして、大阪地検特捜部は大阪の金融会社社長ら2人を相続税法違反の疑いで逮捕しました。
2人は59億円のほぼ全額を現金で自宅の物置などに隠していたということで、特捜部はこの金を押収して調べを進めています。
逮捕されたのは、大阪・生野区の金融会社、「東海商事」の社長や関連会社7社の役員を務める清水初枝容疑者(64)と、これらの会社の役員をつとめる妹の石井淑子容疑者(55)の2人です。
調べによりますと、清水社長らは前の社長だった父親から3年前におよそ75億円の遺産を相続しましたが、その一部を税務署に申告しただけで残りの59億円を隠し、相続税およそ28億円を脱税をしたとして相続税法違反の疑いが持たれています。
調べによりますと、清水社長の自宅にある以前はガレージとして使われていた物置からは札束の詰まったダンボール箱およそ50箱が見つかりました。
清水社長は、父親が病気になった数年前から父親や親族名義の十以上の銀行預金を数十回に分けて引き出し、野菜や果物などが入っていた段ボール箱を再利用して、現金を隠していました。
東海商事とその関連の会社はいずれもここ10年間黒字が続いているということですが、それに比べて相続額の申告が少ないことを不審に思った大阪国税局が、調査を進めていました。
大阪地検特捜部などは清水社長らが遺産の正確な額を把握されないように現金のままで隠していたとみて59億円という過去最高額の遺産隠しの実体解明を進めています。