1月で放送を終えた特撮ヒーロードラマ「仮面ライダー電王」。佐藤健さん演じる“史上最弱”の主人公・良太郎が、未来から来たイマジンに乗り移られて変身するというユニークな設定と、イマジンや変身後の良太郎の声を関俊彦さんら人気声優が演じて、女性を中心に人気を獲得。主題歌や挿入歌など関連CDが累計45万枚突破という異例の大ヒットを飛ばしている。【立山夏行】
「電王」は、とてつもなく不運な良太郎が、時の運行を守る電車型のタイムマシーン「デンライナー」に乗り、ワイルドな「モモタロス」やクールな自信家「ウラタロス」、関西弁で世話好きの「キンタロス」、子供っぽくダンス好きの「リュウタロス」らにひょういされて「フォームチェンジ」してスーパーパワーを発揮、過去から時の流れを変えて未来を支配しようとする「イマジン」に立ち向かうという物語だ。
デンライナーに乗り、良太郎に乗り移るイマジンたちは「おとぎ話」がモチーフだ。「新機動戦記ガンダムW」のデュオ役の関俊彦さんがモモタロス、「ブリーチ」の市丸ギン役の遊佐浩二さんがウラタロス、「仮面ライダーBLACK」のシャドームーン役のてらそままさきさんがキンタロス、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の鈴村健一さんがリュウタロスと、主役級の声優たちが演じ、良太郎の姿もそれぞれのイマジンに合わせて髪の色や性格が一変し、歴代ライダー史上例をみない“七変化”で、佐藤さんだけでなく、声優陣にも注目が集まった。
音楽では、07年3月に発売されたAAAが歌うオープニング曲「クライマックス・ジャンプ」がオリコン5位の大ヒットを記録。続いて、“主役”の佐藤さんと関さんが、野上良太郎&モモタロス名義で歌うエンディング曲「ダブル・アクション」が4月に発売され、最高15位にランクインした。
その後も人気はとどまらず、「ダブル・アクション」の4人のイマジンのバージョンを収録した「パーフェクト・アクション」が8月に発売され、オリコン6位を記録。「クライマックス・ジャンプ」を4人のイマジンが歌う「デンライナーフォーム」が12月に発売されると、オリコン2位、累計11万枚という大ヒットとなった。
さらに「クライマックス・ジャンプ」のヒップホップバージョンや、デンライナーの客室乗務員ナオミ(秋山莉奈さん)と良太郎の姉・愛理(松本若菜さん)が歌う「ダブル・アクション」の「コーヒーフォーム」などさまざまなバージョンが登場。3月には劇場版などでジーク(三木眞一郎さん)と良太郎が歌う「ダブル・アクション ウイングフォーム」も発売される。
音楽制作を担当したエイベックスの河野裕介ディレクターは「人気声優の起用で、新たなファンを獲得した」と話し、こうした声優ファンを満足させるために、キャラクターの声で楽曲を収録したのがヒットの理由と分析する。
テーマ曲のヒットもあって、「平成ライダー」シリーズでは初となる劇場版の続編「仮面ライダー電王&キバ/クライマックス刑事」が4月12日から公開される。クライマックスはまだ続きそうだ。
「仮面ライダー電王 ダブル・アクション ウイングフォーム」/野上良太郎&ジーク(佐藤健・三木眞一郎) エイベックス・マーケティング 3月26日発売予定 1260円
2008年3月10日