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無罪判決の要旨 福岡地裁小倉支部片岸みつ子被告に対する5日の福岡地裁小倉支部判決要旨は次の通り。 【主文】 殺人と放火罪は無罪。威力業務妨害と窃盗罪については懲役1年6月、執行猶予3年。 【犯罪事実】 片岸被告は叔父と共謀し2002年3月31日、兄古賀俊一さんの妻が経営する学習塾の出入り口2カ所に壁を作り、教室や便所への出入りをできなくした(威力業務妨害)。古賀さんの死亡後、生前預かった貯金通帳を使って04年3月25日、現金500万円を引き出した(窃盗)。 【告白の証拠能力】 警察の留置場で同房だった女性が証言した被告の犯行告白には、証拠能力が認められない。捜査手法には次のような問題点が指摘できる。 (1)捜査機関は同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に被告と同房状態にしたということができ、代用監獄への身柄拘束を捜査に利用したとのそしりを免れない。 (2)同房者は、捜査官に伝えることを隠して被告から話を聞き出しており、被告は知らない間に同房者を介して取り調べを受けさせられていたのと同様の状態にあったということができ、本来取り調べと区別されるべき房内での身柄拘置が犯罪捜査のために乱用された。 (3)房内では、取調室と異なり、将来有罪の証拠になることを想定して、自己に有利不利を考えて話す状況になく、供述拒否権への配慮が不足している。 (4)同房者は事情聴取能力のある捜査官ではなく、捜査機関に処分を委ねている身であるから、無意識に捜査機関に迎合するおそれがあり、同房者を介して聴取する内容には虚偽が入り込む危険性がある。 同房者からの参考聴取は許されるが、本件における事情聴取は単なる参考聴取の域を超え、虚偽供述を誘発しかねない不当な方法であり、犯行告白が任意になされたものとはいえない。身柄拘置を犯罪捜査に乱用するもので捜査手法の相当性を欠き、適正手続き確保のためにも証拠能力を肯定することはできない。 【告白の信用性】 犯行告白の根幹部分は被告が同房者に話したものと認めることができる。しかし告白に、被告を犯人であると合理的疑いなく認定するほどの信用性は認めがたい。 検察官は、告白後に被害者の首に外傷があることが明らかになったという秘密の暴露があり、被告の告白には高い信用性があると主張する。しかし解剖鑑定から生前の傷と認めるには合理的な疑いが残る。被害者の首に生前の傷があると認定することはできず、告白に秘密の暴露があるとはいえない。 【結論】 告白に、被告を犯人と認めるほどの信用性は認められず、それ以外の検察官が主張する状況事実を総合しても、被告を犯人と認定するには足らない。結局、被告が犯人とするだけの確たる心証を形成するには至らなかった。
(3月5日13時9分)
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