米国のサブプライムローン(低所得者層向けの住宅融資)問題がきっかけとなり、株価は世界的に不安定な値動きをしています。今年は日経平均株価も1万2000円台まで下落しました。その一方で、「原油」や「金」などの商品価格は大きく上昇しています。原油が値上がりしているので、ガソリンも値上がりしています。
ガソリンだけでなく、原油を原材料としているプラスチックなどの生活必需品や油脂を使う食料油、マヨネーズ、カレーのルーなども値上がりしているのです。また、次世代の自動車燃料として脚光を浴び始めた「エタノール」の原料となるサトウキビやトウモロコシが注目され、それらが値上がりしています。そのうえ小麦や糖類などの価格も上昇しているので、それを原材料とするパンや麺類、乳製品などたくさんの食料品が値上がりしています。 近いうちに、中国やインドなどの新興国でさらに多くの原油や食料品を必要とするようになるので、こうした状況は続いていくでしょう。ですから、商品価格が大きく下落する事態は考えられないのです。原油相場は10月末に1バーレル=95ドルを突破し、過去最高値を更新しました。そして、米国が政策金利を引き下げるなかで米ドルが下落し、金価格も28年ぶりに高値をつけました。 一般的には、モノの値段が上ると家計の支出が増えるので、「好ましくない」と考えられるでしょう。しかし、そうした「商品」を投資の対象として考えるのなら、「利益を得られるチャンスがある」と思うようになったのです。 冒険投資家として著名なジム・ロジャーズ氏は、ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏と並ぶ“世界3大投資家”のひとりと称されています。もともとは株式への投資で大きな利益を得たのですが、現在はプロの投資家からはきっぱり身を引いています。そのジム氏が数年前から注目しているのが「商品」なのです。 彼は「商品」について「株式よりも単純でわかりやすい」と語っています。それは、生活するなかでトウモロコシや小麦を原材料とするものを食べたりコーヒーやオレンジジュースなどを飲んだりしているため、「誰にとっても身近である」といった理由からです。それに対して株式の場合は、投資対象の企業がおこなっている「業務内容などを理解するのは難しい」というのです。商品への投資はまだ一般的ではありませんが、やがてはジム氏がいうように「商品の時代がやってくる」のだろうと、最近の商品価格高騰を見て実感するようになりました。 なお、どのような投資であっても共通していえるのは「自らが興味を持ち、面白いと感じられるものでなければうまくいかない」ということです。流行や他人のいうことなどに惑わされず、自分に合った投資をすることこそが大切である、というのもジム氏から学ばせていただきました。 先物を含め投資関連で初心者向けの心理テストなどもあるので、ご興味ある方はどうぞ。 資産運用の心理テスト |