チベット、ウイグルで高まる分離独立運動
北京五輪開幕を控え、中国西部のチベット、新疆ウイグル両自治区の分離独立を求める運動が活発化している。英BBC放送によると、チベットの亡命者数百人は10日、亡命政府があるインドのダラムサラを出発し、8月末までかけて徒歩で中国国境に向かう「大遠征」を開始した。
隊列を率いるロブサン・イェシさんは「1959年の亡命政府樹立以降、最大規模の抗議デモになる」と話した。中国政府の立場を考慮したインド警察当局が同日、徒歩による抗議活動を禁止したが、北京五輪を控え、抗議の動きは容易に収まりそうにない。チベットの精神的指導者ダライ・ラマも同日、「中国のチベットにおける人権侵害と宗教の自由否定などの弾圧は想像を超えるレベルにある」と非難の声を上げた。
これに先立ち、今月2日にはアイスランド出身の女性歌手、ビョークが上海で開いたコンサートの途中で「チベット独立」と数回にわたり叫んだ。米ニューヨーク・タイムズなどは、北京五輪を迎え、チベット独立運動が本格化することを示すシグナルだと分析した。
一方、人口1900万人の約半数に当たる900万人がイスラム教を信じるウイグル族という中国北西部の新疆ウイグル自治区にも独立運動が存在する。中国当局は7日、同自治区のウルムチを離陸した中国南方航空の旅客機を甘粛省蘭州に緊急着陸させ、テロ容疑者二人を緊急逮捕した。
同自治区の王楽泉・共産党委書記は「容疑者は北京五輪を妨害し、米同時多発テロのような飛行機爆破を企てようとした」と述べた。中国メディアによれば、容疑者は反政府団体の「東トルキスタン・イスラム運動」と関係していたという。
分離独立勢力は北京五輪を自分たちの要求をアピールする絶好の機会ととらえており、さまざまなデモやテロを強行する可能性が高いとの観測が出ている。このため、中国政府は10万人を超える規模の公安や反テロ部隊を育成し、テロリストの拠点に対する武力制圧を進めている。
香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員
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