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救急センターも受け入れ断る

総務省消防庁の検討会に報告された調査結果によりますと、救急車を呼んだ重症の患者が医療機関に受け入れを10回以上断られたのは、去年1年に全国で1074件に上りました。最も多いのは呼吸困難を訴えた東京の70代の女性が49回断られたケースで、救急車が着いて搬送先に出発するまでに4時間以上かかっていました。また、重とくな患者を診る救命救急センターが搬送を打診されて受け入れた割合を都道府県別に調べたところ、100%だったのは島根や愛媛など4つの府県にとどまり、東京で69%、千葉でも69.7%と70%を割り込むところがありました。全国平均は86.6%と7.5回に1回は断っていて、救急の最後のとりでとなる救命救急センターでも受け入れを断る事態が起きていました。昭和大学医学部の有賀徹教授は「救命救急センターは本来重とくな患者を診るはずなのに、普通の救急病院からあふれた患者が押し寄せるようになっている。態勢の整備と同時に、症状による患者の選別を今以上に行わないと重とくな患者が受けられなくなる」と話しています。総務省消防庁は、厚生労働省とともに改善策を検討することにしています。今回の調査結果について、増田総務大臣は、閣議のあとの記者会見で「われわれの予想を上回るたいへん厳しい状況だ。ほとんどの都道府県で導入されている救急医療情報システムについて、情報がリアルタイムでないため、実際に活用していないところがかなりあり、現在1日2回程度となっている情報の更新をもっとリアルタイムになるようくふうしたい。また、本来、救急車を利用しなくても済むような患者がタクシー代わりに救急車を利用している事例が増えているので、そういった実態を国民に知ってもらい、救急搬送への意識を高めていきたい」と述べました。そのうえで、増田大臣は、救急医療を担っている病院への支援について「救急医療の現場に対し、経営的にも支援するため、診療報酬などでどう評価していくかという大きな問題もあるので、厚生労働省とも十分連携し、対策を考えていきたい」と述べました。
もどる3月11日 11時55分
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