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救急搬送調査:50回照会、受け入れまで4時間のケースも

 総務省消防庁は11日、07年の救急搬送の受け入れ状況に関する実態調査結果を発表した。先行実施した産科・周産期傷病者だけでなく、重症傷病者や救急救命センターへの搬送などにも対象を拡大した結果、重症以上の傷病者のうち、医療機関に50回照会し、搬送までに4時間13分もかかるケースが判明するなど、深刻な受け入れ態勢が浮き彫りになった。

 この患者は東京消防庁が搬送した70代の女性。夜間に持病の呼吸苦を訴えたが、救急隊が39回、病院を照会する指令センターが11回照会した末にやっと医療機関に搬送された。設備・資機材、スタッフ不足などの「処置困難」や「手術・患者対応中」を理由に医療機関が受け入れを拒んだためだった。拒否回数が最多だったのは吐血で大阪市消防局が搬送した30代の男性で、救急病院などに62回も断られた。

 重症以上の傷病者の調査対象41万1625人のうち、受け入れ病院が決まるまでの照会件数が4回以上は1万4387件、6回以上は5398件で、11回以上も1074件あった。地域別では、首都圏と近畿圏の大都市と周辺部で照会回数が多かった。救急隊による処置も含めた現場滞在が1時間半以上に及んだのが405件、2時間半以上も65件あった。

 医療機関が受け入れを拒んだ理由は「処置困難」で全体の22.9%で最も多く、次いで「ベッド満床」22.2%、「手術中・患者対応中」21%、「専門外」10.4%の順だった。産科・周産期傷病者で4回以上照会された事案は、04年に225件で全体の1.9%だったが、05年には342件で2.6%、06年は667件で4.1%、07年は1084件で同4.8%と件数、比率とも増加傾向にある。【七井辰男】

毎日新聞 2008年3月11日 11時28分 (最終更新時間 3月11日 11時56分)

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