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【静岡経済 インタビュー】

自社製品充実させたい 雑貨屋ブルドッグ社長 小楠昭彦氏

2008年3月5日

「創業の精神に戻り、スピード感を持って取り組みたい」と話す小楠昭彦社長=浜松市浜北区の雑貨屋ブルドッグ本社で

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 ファッション雑貨販売の雑貨屋ブルドッグ(浜松市浜北区)が正念場を迎えている。2007年8月期はジャスダック証券市場上場以来初の減益を記録し、業績の回復が急務となっている。就任から3カ月が過ぎた小楠昭彦社長(52)に今後の課題や展望を聞いた。(聞き手・生田貴士、写真も)

 −課題は。

 既存店の売り上げが停滞している。18−22歳の女性を主な客層に、「来て楽しい、見て楽しい、買って楽しい」が基本理念。しかし、ここ数年は売り上げをつくるためにチラシでPRし、安価品も販売してきた。ブルドッグらしい品ぞろえが崩れたことで苦戦の要因にもなっている。

 お客さまが専門店に求める面白さと、ホームセンターや量販店に求めるものとでは違う。ショッピングセンターなど大型店に対抗するためにも、商品の入れ替えを含めてずれを修正している。

 −一時期、会社を離れていたが、社外から見た姿は。

 思っていたより面白くなく、他社と代わり映えがしなかった。3年間社外にいた経験から、冷静に見られる部分はある。消費者として感じたことをいかに実務に生かすかがポイントになる。

 −店舗網は。

 上場以来、300店舗の出店が第1戦略だった。独自ブランド製品を製造する上で、コスト面からもこの体制は必要だった。今は320店舗を超えたので、いったん踊り場とし、損益面からも店舗見直しを行っていく。

 初期に出店した店舗は、条件がいいのに規模が小さいところが多い。積極的に拡大を図る。東海地区や首都圏は出店効率が高く購買力もあり、展開を考えたい。静岡市にはまだ1店舗しかなく、出店余地はある。一方で、今期は15店舗ほどを閉鎖する計画だが、極端に店舗数を減らすことは考えていない。

 −中長期の目標は。

 売上高1000億円が創業時の目標。今も変わっておらず、5−10年の期間では達成したい。不可能ではない。ブルドッグらしい商品の多くは、価格競争の影響が少ないため利益も得られると思う。

 自社ブランド商品の比率は08年8月期で33%の予定で、5年ぐらいで50%にまで引き上げたい。上場から3年たち、緩みが出ている部分があるかもしれない。創業の精神に戻り、スピード感をもって磨きをかけていきたい。今年はこれ一本です。

 おぐす・あきひこ 1955(昭和30)年静岡市生まれ。78年愛知大政治学部卒。静岡谷島屋を経て、82年商研に入社。88年雑貨屋ブルドッグ創業に伴い同社営業部長、2004年に常務で退社。経営コンサルタントを経て、07年8月に復帰して経営企画室長、同11月から現職。浜松市東区在住。

 

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